この作品は「不思議の国のアリス」の続編として知られています。もともと「鏡の国のアリス」に登場する人物だけど、全体を読み通してわかったことは、ディズニー版の「不思議の国のアリス」に登場する「トウィードルディーとトウィードルダム」「しゃべる花園」「セイウチと大工さん」が出ているではないか?実は、ディズニー版の「不思議の国のアリス」は「鏡の国のアリス」の登場人物やエピソードも含まれているのです。ディズニー版の「不思議の国のアリス」に興味を持っている方だったら是非、この小説でチェックしてこいです。前作の「不思議の国のアリス」ではトランプを下敷きにしているのだが、この作品はチェスを下敷きにしていることです。この物語も夢のなかでアリスは鏡を通りぬけます(前作では穴に落ちる)。アリスはチェスのゲームをしながら、奇妙なキャラクターにいろいろ出くわします。前作と比べて言葉遊びがちょっと薄れているが、ノンセンスさは前作とは変わらない。チェスのルールは知らなくても何度も読み返せば、楽しめる小説です。訳はほとんど、ひらがななので小学生向きですね・・・。なので評価は4つ。アニメ化については日本やアメリカでは未だないが、1982年にロシアでアニメ化されているので日本でも放送したいくらいです。(一部カットされているシーンがあるけど、ほぼ原作を忠実にしているから。ロシア語だけど、今、Youtubeでやっている。)
大人が堪能する話なのではないかおすすめ度
★★★★★
アリスには 「不思議の国のアリス」と本作「鏡の国のアリス」と二作ある。「不思議の国のアリス」の方が ディズニーで映画化されたこともあり有名だが 内容的には「鏡の国のアリス」の方が数段深みがあると僕は思っている。
チェスを下敷きにしたことで 非常に知性的な雰囲気が漂っている点が心地良い。アリスが歩兵から女王に成り上がるというチェスのストーリーをまず キャロルは 一本筋として通している。
それに加えて マザーグースから引っ張り出してきた登場人物が楽しい。ハンプティダンプティなどは この作品で初めて知ったお方である。
さらに 独特の「寂しさ」が 通常低音のように流れている。本作は童話であるが いわば短調で書かれているかの趣がある。楽しいだけの話ではなく むしろ どこか哀しげな雰囲気がある。
こう考えると 本当は子供にはちょっと難しい童話なのかもしれない。ルイスキャロルが 自分の許から去っていくアリスを描いた作品だとも評されているのは そんなムードがあるからかもしれない。
アリス好きならおすすめ度
★★★★★
いろいろと読みにくい(?)内容やチェスのルールも知らないので
最初はダラダラ読んでしまいましたが、読んだ後にまた読みたくなる本です。
物語の独特の世界は、なんとも引き込まれる感じで、思ったほど挿絵が無い分
想像力をかきたてられます。
分かり難いフレーズは最後にまとめて説明があり、そのため本文の所々に*マークが
入っています。
挿絵も好きだし昔の教科書を読んでるような古めかしい刷り上りの本ですが
それがまた味が出ていていいですね。
お勧め
おすすめ度 ★★★★★
不思議の国のアリスの続編。「不思議の国~」を読んでない方でも大丈夫です。おなじみ主人公のアリスが、今度は鏡を通り抜けチェスの世界に迷い込んでしまうお話。
最近のアリスの訳では、アリスが品のない・今風な喋り方をしている訳が多くガッカリするのですが、このアリスは女の子らしい上品な話し方をしています。私的にはこのアリスが一番理想に近いです。テニエルの挿絵なので雰囲気も出ていますね。
チェスのルールを知っている人にも知らない人にもオススメですが、ルールを知っているともっと楽しめます。チェス盤を持っている人は、実際にアリスの辿った道を並べてみるのも楽しいですよ。