まだまだかわいいピーター おすすめ度 ★★★★☆
Comes alive を思い出させるスタート。でも画面に映っているピーターの頭には、あのブロンドの髪はもう数えるほどしか。でもその自然体が心を打ちます。エネルギッシュにナチュラルにギターが唸ります。昔から猫背だったんですよね。レスポールがちょっと重そう。でも歌もギターも心地よく響きわたります。Comes alive時のメンバーだったボブ・マイヨーもすっかり白髪に、でもギターにキーボードに全力投球。ラストでは、ハンブル・パイ・フィルモア・ライブのスティーヴ・マリオットの声を被せて、No Doctorをスタート。胸が一杯になりました。ピーターありがとう。
概要
鼻で笑い飛ばす前に、まずは一見を。1970年代のロッカーが、ほぼ音信不通だった長い年月の末に最新のコンサートDVDを発表したと聞けば、よほど忠実なファンでもない限り当惑を覚えるに違いない。しかし、ピーター・フランプトンの短かった名声は、ライヴ・プレイヤーとしての確かな手腕に裏づけられていた。大観衆を沸かせる天性の才能は、この『Live in Detroit』でいよいよ全開となっている。故国を離れたこのイギリス人ギタリスト兼シンガー兼ソングライターが嬉々として認めるとおり、パイン・ノブ円形劇場でのコンサートを見事な撮影・録音で記録した本作の登場によって、画期的な2枚組アルバム『Frampton Comes Alive』(1976年のリリース時にセールス記録を更新)のビデオ版と呼べるものをようやく見られるようになった。というわけで、本作はセット・リストに比較的初期の人気曲を取り入れ、フランプトンの人懐っこい魅力を再確認させてくれる。 以上のような長所がそろっていても、元ロック界のアイドルが50歳を目前にした姿を見せられるショックは帳消しにできないだろう。肩まで伸びた髪の毛は、当時としては両性具有的なカッコよさを感じさせ、フランプトンをポスター・ボーイとして印象づけたが、今はもうなくなってしまった。残った髪は短く、白い。メタルフレームの眼鏡をかけたところは何やら聖職者のようだし、おまけに黒っぽいジーンズとTシャツまで身に付けている。ところが、フランプトンと彼の現在のカルテットが演奏を開始し、かつてアリーナを賑わせた「Baby (Something's Happening)」とか、代表的なヒット曲である「Show Me the Way」や「Baby I Love Your Way」が登場すると、歌唱力とリード・ギターの腕前は変わっていないと納得させられるのだ。 したたかなミュージシャンシップ、オーディエンスへの愛情に支えられたサービス精神、70年代のラジオ・ヒット続出の選曲。これらすべてがフランプトンの魅力となり、オーディエンスの期待に応える方向に作用していると言っていい。トークボックス・エフェクトさえも例外ではなく、アナクロ的な手法と思われていたのに、シェールがユーロポップ路線でカムバックを果たした際、そんな印象は吹っ飛んでしまった。ある程度の年齢に達したDVDミュージックファンなら、ノスタルジアとショービジネス的プロ精神の絶妙な融合を味わえるだろう。(Sam Sutherland, Amazon.com)
|