ある出来事をきっかけに離婚した二人は手紙のやり取りをする。当時は語れなかった気持ちを手紙にたくしお互いの思いを伝える。決してきれいな話ではないがそのどろどろした愛憎劇に何故か気持ちのいいものを感じた。それは生きる二人を描いているからであろうか。
5年に一度くらい読み返したい本おすすめ度
★★★★★
大学の授業の題材でした。命についてがテーマで選ばれた本だったと記憶しています。
主人公の男は、事業に失敗して女のアパートにもぐりこんでいるような負け組の典型みたいだし、ヒロインはワガママな会社令嬢、この二人のかつての結婚生活の破綻について、じっくり描かれていますが、はっきりいってつまらなそうな夫婦の物語なのにどうしてこんなに引き込まれるんだろうと不思議に思います。
大きな会社の令嬢と恋愛結婚し、社長の後継者として生きてきた男が、婚外恋愛の果てに無理心中未遂に巻き込まれ、すべてを失う。また妻のほうも一度目の結婚に破れたあと、再婚するも、生まれてきた子が知的障害を負っており、夫の心は自分にはない。
そんな物語なのに、読後感はさわやかで、後味よく終わります。
いろんなことがあるけれど、それでも生きていこうと思える本です。
そんなに、こなかった
おすすめ度 ★★★☆☆
書評がすごいのでかなり期待値が高かったのか悪かったたのでしょうか、、、
そんなに面白いと思いませんでした。
「五千回の生死」や「流転の海」、「優駿」など
宮本さんの作品は好きなのですが、、、。
「星宿海への道」や「森のなかの海」の不人気作品のほうが
私的にはすんなり読めました。
唐突なモーツアルトのエピソードや
甘ったるい過去の恋愛に浸る女性心理描写が
どこかリアルに感じなかったです。
書簡体も好きにはなれなかったです。