幼い時の大阪おすすめ度
★★★★★
この映画はビデオで見ました。幼い時の大阪の風情を凄く思い出させる作品でした。昭和30年代から40代の大阪は街自体もまだまだごちゃごちゃとしていましたし高度成長期で、今とは比較にならない位埃ぽい街でした。街を流れる川も真っ黒でたまに死んだ犬とかが流れてました。
この映画はその当時の大阪を本当に上手に描いています。
大阪は「けちくさくて、吉本のお笑いがあって」というステレオタイプの姿は東京中心のマスコミが作ったもの。庶民的で有りながら何処かもの哀しさを漂わせる優しい街です。「泥の河」と言い「道頓堀川」といい宮本輝さんの描く大阪は上手くそれを表現してますし、その中にちらりとニヒリズムを感ずる事も出来ます。皆さん方と同様DVD化を早く望みます。
大阪の子どもは、しっかり観て感じ、大人になったんだ。おすすめ度
★★★★★
この懐かしい映像は僕たちの子ども時代。郭船の二人の姉弟。母は夫が死んでから、客をとって生活している。陸に上がることはない。けなげな長女。末っ子キッチャンと友だちになったうどん屋の一人息子信夫。父と母は舞鶴で出逢い、大阪にたかとびした。父は妻子がいたのだ。やっと軌道に乗ったうどんや。「きんつば」を年中、焼きつづけている父(田村高廣)。
うどん屋の息子信夫とキッチャンとその姉の関係が中心。子どもの目から見え始めた大人の世界。生活の世界。
天神祭。この日、二人は祭りに行った。お礼にキッチャンは「宝物」を見せてくれる。蟹(カニ)を飼っていたのだ。蟹(カニ)に火をつけてころす。
ついに、信夫は郭船がいかなる場所かを見てしまう。
キッチャンの母(加賀まりこ)は翌日、郭船を遠くにむかわせ去っていく。
「キッチャーン」
おいかける信夫。
登場する者たちの気持が全部わかる。僕も偉大な年になった。涙がとまらない。
DVDにならないかなぁおすすめ度
★★★★★
終戦後の引き揚げ者の底辺生活を描いたもの。しかしながら普遍的な貧困というテーマで見直してみたいとおもう。白黒ではあるがDVDで持っていたいと思う。
庶民のやさしいまなざしおすすめ度
★★★★☆
出番は少ないのだが、船宿の私娼役の加賀まり子の目が印象的。
うどん屋の息子をはじめて招いた時の優しい目と、同じ子に自分の
営みを見られてしまったときの目が印象的。
田村高廣と藤田弓子のうどん屋の夫婦も庶民的で良かった。
俳優陣の表現力、監督の力量に感動おすすめ度
★★★★★
高校生の時に観ました。20年以上経った今でも忘れられない映画です。主演の田村高廣を初め、全員の演技が素晴らしい。子役の表情が、時代のせつなさ・人間の哀しさを表現していて、泣けました。
モノクロ映像の効果が、観る者の感覚を研ぎ澄まし、戦後の大阪にいる錯覚に陥りました。
いつの時代にも変わらない人間の哀しさというもの、そして同時に存在する人間の優しさ、ささやかな幸せ、これら全てを体感できる映画だと思います。