渋さ満載おすすめ度
★★★★☆
第55回カンヌ国際映画際・監督賞受賞作品。
朝鮮時代末期に、貧しい家に生まれながらも宮廷画家にまで出世した実在の人物チャン・スンオプ。朝鮮時代3大画伯に名を列ねるも、彼に関する記録も残存する絵自体も極めて少ないという謎に包まれた人物スンオプの生涯を描く。
酒に酩酊し、女を愛し、束縛を嫌うスンオプは、貧しければ持つ者に卑しまれ、名を馳せれば習慣に縛られ、高貴な世界に認められれば権力に押さえられます。酒におぼれることで自由になれるのか、覚えもないのに神業のような絵をかきあげたりするのです。本当の才能を知るキムは「本物の芸術家になれ」とスンオプを諭します。スンオプの苦悩の先にあるものは…。
韓国映画界をリードするイム・グォンテク監督、脇役にまで演技派を揃えた豪華なキャスティング、郊外にお金をかけて作り上げられた19世紀のセッティング…見る前から作る側の強い意欲が感じられる作品です。物語に華を添える韓国の美しい風景を幻想的に修めたカメラワーク・照明も申し分ありません。後世に残る韓国映画の代表作になりうるいい作品です。欲を言うならば、20代のスンオプは、若い俳優を起用してもよかったと思います。さすがに、63年生まれのチェ・ミンシクが演じる初心な20代は、おっさんくさいです。
美しい風景おすすめ度
★★★★☆
美しい韓国の風景を観賞できるだけでも大いに価値があります。
妓生のメヒャン、ジノン、ヒャンランを演じた女優陣、特に
「酔画仙」スンオプと二度の邂逅、別離を経験したメヒャン役のユ・ホジョンさんが凛としていました。
勿論主役のチェ・ミンシクさんやアン・ソンギさんはいつもの通り、素晴らしい演じっぷりです。
内容は文句のないいつつ星なのですが、
子供の頭をポンポン殴るシーン(韓国映画にはよくありますが)に違和感を感じ、星よっつを謹呈します。
韓国映画の真髄!おすすめ度
★★★★★
さすが名監督イム・グォンテク。伝説の画家の生涯を美しい映像とともに堪能できます。カンヌでも受賞した作品なんですよね。セットにもお金がかかっているとか。(ソウル郊外の撮影所で見てきました)
しかし何と言っても主演のチェ・ミンシク!20歳から晩年までを演じきっています。時折みせる、天才と紙一重の狂気や艶技?もこの人ならではの味。私も彼に「ヌビ」の上下を縫って差し上げたい。
さらにアン・ソンギも素敵です。
昨今の軽いラブコメに食傷気味の方にお勧めしたいです。