絶妙なレベルでディストーションをかけたどこか退廃的なボーカル、鋭角で醒めたギター・サウンド、ポップなメロディー、シックに統一したファッション、華麗なルックス、それら一つ一つのエッセンスが都会的で洗練されたストロークス像を造り上げている。そんな彼らがロックの世界地図を塗り替えるのに長い時間は必要としなかった。現在のロック・シーンは「ストロークス以降」と呼ぶことができる、それほど多大な影響を数多のギター・バンドたちに与えたのである。本作は現在、多くのUKバンドたちの重要な道標の役割を担っている。
新しい価値観おすすめ度
★★★★★
00'sロックンロールはここから始まった。マッチョなニュー・メタルや商業主義
エモ全盛の当時に本物のロックを提示してみせた救世主達の言わずと知れた
超傑作1st。彼らはこのアルバムで「ストロークス以降」という用語まで生み出し
てしまった。
ストロークスの音は決して最先端ではない。むしろVelvet Underground
やTelevision、RamonesなどのNYの古き良きロックのプリミティブなエッセ
ンスを基盤としたものだ。しかし、その基盤の上に00'sに漂う新たな時代の
空気と大都市の醒めた感性、そしてまるで別の世界からこの世界を眺めてい
るような独特の観察眼によって綴られた歌詞。極めつけはギリギリまで贅肉
を切り落としたシンプルで最高にクールなガレージサウンド。これらの表現
要素が同時に鳴らされた瞬間、あらゆる価値観は見事に逆転する。
新しさを音そのものに求める前に、違った価値観でものごとを消化するだけで
本当の意味で「新しい音」が得られる。自己表現という行為を極めた革命家達の
完全無欠の一枚。
理想!!
おすすめ度 ★★★★★
こんなにもクールでシンプルでかっこいいバンドが現在storokes以外に存在するだろうか。おそらくいないでしょう。正直、現代に音楽に慣れかけていた部分が心のどこかにあったんだと思います。それをstrokesが一掃させてくれました。僕が理想に掲げていたクールとシンプルの追求が、この作品に凝縮されています。