生きていくためにおすすめ度
★★★★★
対談集あり、インタビューあり、「サクリファイス」発表のその後がさまざまな観点から
語られる、内容の濃い一冊。河合隼雄の「人間一人の人生は、その長短にかかわらず
壮絶だ」という言葉は、真理に近いものを感じる。
読者からの手紙も胸を打つ。10年間息子の死を病死だと偽り続けた母、罪悪感に悩み続ける
家族たち。それは世間の自殺への偏見と無知から来ているのだろうが、あまりにもむごい。
むしろ日本は死に対してあまりにも粗雑だ。
いい本である。自死遺族やその周辺の方に読んでいただきたい。自死について実践的に考える
初端とないい本です。
衝撃を受けた。おすすめ度
★★★★★
この著者の本はすでに何冊も読みあさり、がん体験者として、
緻密な調査にも関わらず、やはり、外から見た医学、患者像に少なからず落胆をしていた。
しかし、この事実には衝撃を受けた。こうした不幸がいつでも、誰にもある現実の厳しさに驚く。
それにしても、この苦しい自らの体験を生涯最高の筆致で書いたのが、
この本ではないだろうか。彼の客観性といい、文章の切れといい、
これは本著者の最高傑作だと思う。