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サクリファイス

近藤 史恵
おすすめ度:★★★★★
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真の犠牲
おすすめ度 ★★★★★

空白が目立つ。ページ数もけして多くはない。
ちょっと割高感のある本だなぁ、と思っていました。

描写はいたってシンプルで、特に気の利いた比喩なんかも出てこない。
ただ、淡々とストーリーを追っていくだけ。
疾走するように、あっという間に読み終えてしまいました。

単純で、純粋で、勢いのある小説でした。
けして高くはなかった。
すぐにでも読み返したいと思えました。



活字の魅力を追ってほしい
おすすめ度 ★★★★☆

本屋大賞第二位ですので、レビューの数も多かったので、あえてレビューを書くつもりはありませんでした。
実際に皆様の賛否含めて、最もな意見も多いですので。
軽くだけ内容についての感想を書くと、面白くてすらすら読めました。自分の周りで4人読んだ人がいるのですが、その中で唯一評価が低かったのは、実際に自転車に乗り、多くの欧州の自転車レースをTVでずっとおっている人でした。要するにマニア向けではない作品なのでしょう。(これについてはランナーの私が三浦しおんさんの「風が強くふいている」を受け入れられなかったのと同じだと思います。)ただ、そのような方を除いた私を含めた感想では、自転車競技が身近に感じるように成りましたし、最後のサクリファイスは「え〜?!」と思いながらも、読んでよかった一冊でした。
さて本題の重い腰を持ち上げてこのレビューを書いた理由は、またしても本屋大賞から漫画化が決定したことです。やめてくれ〜!確かに映像や劇画の世界にして上手く行く作品もあるでしょうが、お願いだからやめてって言いたかったのです。活字だから浮かんでくる石尾やチカのイメージが狂うではないか!最近のこの安易な本屋大賞=漫画化路線に悲しみを感じます。漫画になる前に自分のイメージで読んでほしいです。



エースの本質
おすすめ度 ★★★★★

 この物語の真の主人公は、アシストのチカではなく、エースの石尾だ。

 彼にとって、「勝利」とは何なのか。

 アシストのチカは、単なる語り部にすぎない。

 エースの石尾の生き方が、強烈で、そして爽やかだった。

 「非情にアシストを使い捨て、彼らの思いや勝利への夢を喰らいながら、
  俺たちは走っているんだ」

 エースとしての勝利への執念。
そしてその彼が、最後に選んだ行動とは。。。

 エースの石尾を、もっともっと見ていたかったよ。



ヨーロッパの青空と乾いた空気が似合う,カラっとした作品
おすすめ度 ★★★★☆

3000m走で高校総体を獲りながら,勝利の期待を背負って走ることを嫌って自転車に転向した白石誓。この駆け出しのプロロードマンは,エースのために風を受け,時にわざとリタイアまでするアシストこそ「自由な走り」と言い切ります。

前半は主人公の属するチームがツール・ド・ジャポンを戦うさまが描かれます。レース描写は生々しく,ドキュメンタリーを読むような感じ。後半は舞台がベルギーに移りますが,一転してミステリタッチの展開に。

物語中の伏線はキレイに回収されるものの,その展開は山を下るレーサーのごとく速く,ミステリとしては正直軽い印象がぬぐえません。しかしそれを差し引いても,ヨーロッパの青空と乾いた空気が似合うカラっとした作品に仕上がってます。



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