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サクリファイス

アンドレイ・タルコフスキー
おすすめ度:★★★★★
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繊細な本物の祈り
おすすめ度 ★★★★★

綺麗で、静かで、祈る思い。
そういう時鑑賞するには、ぴったりとはまる繊細で綺麗なピース。

私はこの映画を語ることが出来る見識を持たない。
ただ良いな、と直感で魅了される。
繰り返し巡り会って鑑賞して、そのつど私にとっての扉が開いたら良いな、と思わせてくれる繊細なピースです。


唯一、日本文化研究者としてよくわかってしまうが故に辛いのは、
尺八の使い方と着物の噴飯さ。
尺八というものの音を、どういう風に使うのか、わからないならわからないまま手を出さなきゃいいのに・・・。
着物を、帯を、ウエストで着るな!
伝統文化後継者から観ると、噴飯物。
背中のあの位置にタオのマークがあの大きさで入っているなんて、日本人が着る本物の着物にはありえない。


日本文化は素晴らしいけれど、本物の日本文化は決して、タルちゃんが期待する形では存在しません。
人は自国文化に批判的になると、外国文化へ過度の神秘すぎる憧憬を抱く。
でもどの国の文化も外からは深淵に見えますが、実際はたいしたもんじゃありませんから。


それでも西洋音楽だけと西洋モチーフだけでは成り立たないのがこの映画だったという直感を感じる。
だから尺八も着物も使われてよいし、許せないとかのレベルではないし、
この映画にはあのレベルで必要なものだったのでしょう。

日本に関してだけうるさく言いましたが 
全体としては私ごときが批評できるものでなく、私などつかめさえも出来ず
深淵で、本物で、深く、綺麗に、本物を祈る人の心や魂をゆさぶらせてくれるものを持つ映画です。

だから、うつ病の時 うつ病の人が観ると、やばい。
(今 私はうつ回復期なので、少しやばかった。)

素晴らしい作品です。星5つ。



鏡、ノスタルジア、サクリファイス
おすすめ度 ★★★★☆

鏡、ノスタルジア、サクリファイスと続く自伝要素の強い映画です。単に自伝ではないということは鏡とノスタルジアのレビューにも書きましたので、暇があれば見てみてください。枯れた木を地面に植え3年間水をやり続けたら遂に芽が出たという話を使い「毎日同じことを同じ時刻に儀式のように行えば世界は変わる。」という部分も今まで同様、信じること(例えば信仰)というものが世界を変えるという事の比喩ですし、「美術や哲学を極めてより真実に近づく芸術家になり世界を救うという願望」VS「家族への愛、特に子供に対して強い愛情を抱き、それに執着し家族を救うという願望」、も今までと変わりません。「言葉やおしゃべりは無駄だ。」というスタンスも今までと変わりません。しかし、この映画は前の2作とは手法を変え、より写実的になりイマージュの世界が少なくなっててきています。そして、キリスト教の隠喩が多用されています。絵画として出てくる「東方三博士の礼拝」はメシア出現の星を見つけた一行がベツレヘムを目指し、その頃マリアは馬小屋で休んで居たところイエスを産み落とした。という物語を持つ絵画です。それは、この映画の登場人物のマリアとだぶり、主人公のアレキサンドルが後にマリアと世界救済のために愛し合う=たぶんその後身籠る、という事を考えるともの凄い隠喩になります。しかし、「東方三博士の礼拝」はいろいろな画家が描いており、その中でダビンチ作は、暑く塗られた絵の具に隠れた下絵に邪悪なるものを隠しているとも言われていますし、しかも未完なのです!映画の登場人物の郵便屋がダビンチは好きではないと、言っていることを考えると、、、怖いですね。最後のシーンで、アレキサンドルの子供が、枯れた木に水をやりながら「初めは言葉ありき。。。何故なの?パパ。」と空を見上げて新約聖書の冒頭句を呟きますが、これも見ようによっては、天にいる父なる存在に問いかけているようにも見えます。。。そして、「言葉」を否定してきたタルコフスキーの映画のエンディングとしてはもの凄く面白いものですが、、、聖書の言葉ありきの言葉とは、我々の話す喋り言葉ではなく、真理とか存在理由、その然理を指します。それが、彼が前作、前々作から求めていた答えなのでしょう。言葉とは真理でなくてはならないということなのでしょう。。。もう一つ、興味深い話をしますと、ロシアの政治家スターリンは、言葉(この場合我々の喋り言葉のこと)を、どんな少数民族でも自主的に自分が使えるようにしたのです(むろんロシア語は公用語ではありましたが)。それは西欧中心の思想から東欧、アジア、アフリカを解放しようという彼の思想からでした。ですから現在も皆ロシアから独立し、チェチェンを初めいろいろな国が独自の言葉を使ってアイデンティティを守ってます。。。この映画に出てくる西洋の物質文明と日本や東洋の精神文明の対比を考えると、なんだか面白くありませんか???このように、いろいろな背景を内包しています。「鏡」といった自己のマニフェストから、「ノスタルジア」の自己破壊と再生を経て、「サクリファイス」では、一気に彼の考える人類のマニフェストにしたところが、素晴らしいと思います。。。まあ、これはキリスト教やらロシア史などを調べてたどり着いた、僕だけの解釈かもしれません。最後にひとつ、、、3作の中で一番好きなのはそれでも「鏡」です。たぶん芸術というのは、政治や体制などで抑制されればされる程、強くなり、当時の若い彼には抑制をはねのけるパワーが一番あり、映像詩として一番完成されていたと思います。その後、国外に出て、年も重ね、広くになった分、エッジーなものではなくなりましたね。。。。でも傑作ですけど。。。久しぶりに見直してみて、タルコフスキーを観た後は、キューブリックもゴダールもフェリーもルイ・マルも、それほど難解ではないような錯覚を起こします。(笑)



サクリファイスという映画
おすすめ度 ★★★★★

 タルコフスキーは私に、静かに世界の終焉を説いた。しかし恐ろしかったのはそれよりも、一人世界の終焉を見てしまった男が残されたということ。愛する息子とその世界を救済し、燃えさかる炎を前にして抜け殻となった男。なんという犠牲だろう。なんという作品だろうか。それなのにとてつもなく美しいのだ。水も、炎も。
 感情の奔流に耐えきれずに咽び泣くほどの映画、これほどの映画にあと何回出会えるだろうか。
 



透明感、映像美。
おすすめ度 ★★★★★

このサクリファイスを観たしばらくあとに「ギルバート・グレイプ」を観て、なんか続編のようだなと思っていたら撮影監督が同じスヴェン・ニクヴィストでした。空気感という言葉があるとすれば、この匂いのない空間を、スウェーデンという北欧の国の水や音が、この映画の空気感をごく自然に形成したのでしょうか。モネの絵画に「日傘の女」いう作品が何点かあり、前妻の死後描かれたその絵の女性には顔がないのですが、写真の色彩が時を経て褪せていくように、記憶も外形だけを残して、覚えていたいことだけが深く刻まれる。年をとるのも悪くないなと思わせる映画です。


概要
わずか54歳でこの世を去った鬼才アンドレイ・タルコフスキー監督の遺作。スウェーデンの島を舞台に、大学教授・アレクサンデルの1日を描く。自分の誕生日に松の木を植えた彼は、のどの手術で言葉が話せなくなった息子に、奇跡の伝説を語り聞かせる。やがて平和だった島を襲う、突然のごう音。TVニュースが伝える核戦争勃発。アレクサンデルは平和のために自らの命を神に捧げようと誓う。
他の作品同様、タルコフスキーが静かな語り口によって、生と死の問題に深く切り込んでいく。アレクサンデルと木のカットなど、一枚の絵のような美しさを放つ映像の数々に、バッハの「マタイ受難曲」や日本の尺八など音楽も心を揺さぶる効果を発揮している。神への献身と犠牲(サクリファイス)、そして核の恐怖。そんなテーマに、自らの死を意識し、重ね合わせたような本作によって、タルコフスキーは魂の叫びを鮮明に浮かび上がらせていく。(斉藤博昭)

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