映画の最初に述べられるように、この映画は「人間の機械化に反対して、個人の幸福を求める物語」である。つまり、「機械化」に象徴される「Modern Times(近代)」批判である。映画の最初の労働者が工場で働く場面は、「機械化」を痛烈に批判しているのが良くわかる。人間が機械を使うというよりは、むしろ人間が機械に使われている様子を、言葉を使うことなく(基本的に無声映画である)、非常にユーモラスに、かつ皮肉たっぷりに表現している。言葉は無くとも身振り・手振り・表情だけで十二分にその意図が伝わってくるその表現力は、さすが喜劇王、感心するばかりである。さらに、あの笑いのセンスは今なお十分通用すると思う。
笑いと感動の集結作おすすめ度
★★★★★
軽快なリズムとともにこのチャップリンの作品は展開されていきます。
その中では、一人の男の時代に流されながらも、生きがいを見つけ、確実に大きくなっていく姿が描かれていました。
それは、当時の政治の中で、弱者としての視点から実状を捉え描くことで、全てが機械化となり、人の心もモダンになってしまうのではないかという動揺がよく伝わってきました。
全ては人と人が向かい合うことで成り立っているはずの社会が、人を人と思うことができない機械的、そして無感情、そんな社会になりつつあることを感じさせた作品でした。
極面白い。おすすめ度
★★★★★
超インテリ系が観る資本主義を痛烈に皮肉った異色のブラックコメディ(笑)
これを製作当時にここまで現代を予見していたチャップリンという人の先見性はかなり凄い。事実工場のオートメーション化と会社に絶対服従を迫られれる現代経済社会のまさに「縮図そのもの」のようだ。脚本と設定、音、演出の見事さ。欠点が見つからない。これは天才で尚且つダイヤの様に強固な意志が無いと「絶対に出来ない事(←ここ超重要)」です。完璧主義者チャップリン凄さと才能ををビリビリ感じます。私のように普通の映画には物足りなくなってしまったコアな映画ファンやブラックコメディ大好きな方は是非。ヒロイン役のゴダールがちょっとミスキャストのような気がしないでもないですが映画の作りがほぼ完璧なので気になりません。是非観てください。
★五つ。