緻密に組み立てられたシナリオも圧巻ですが、俳優陣の作り上げるキャラクターの個性が非常に魅力的で、自然とストーリーに吸い込まれていきます。お話のテンポも軽快で、合い間合い間に挿まれたお笑い要素により、最後まで飽きずにスッと見られるのも魅力です。ですが、繰り返し鑑賞している内に新たな発見をしたり、シナリオの細密な構成に思わずため息したりと、まるで小説を読んでいるような気分になりました。何度も楽しめる作品だと思います。
LENS=ものをはっきり見せるためのガラスまたはプラスチック片おすすめ度
★★★★☆
舞台設定は「関東大震災から数年後」の東京のとある図書館。
当時のことをよく知っているわけでは有りませんが、当時の様子(服装・建物・影絵・モダンブーム・その他世相諸々...)が作中やDVDのパッケージによく出ていて今までの小林作品とは少し異なったレトロ感を感じさせてくれます。本作品の最大の売りは、その大正浪漫の舞台と小林演出の融合にあるのではないでしょうか?
物の怪や幽霊が「存在」していた当時、人情のあふれていた当時、日本の近代小説が確立されていった当時、色々な側面からの見方も出来ると思います。
作品とトリックの内容自体は、ついこの前「SWEET7」を観たばかりだったので、「あれ、こんなに短いの?」と少し拍子抜けしてしまいましたが、登場人物それぞれのLENSによって浮き彫りにされた物事が、天城のLENSによって犯人のトリックへと収束していくあのラストのスピード感は見事でした!
何か余韻を残したラストも小林さんらしくてステキでした!
人間がLENSによってアリを発見したように、天城の才能を発見した駒形と天城のコンビの続編に期待です。
とにかく素晴らしい!おすすめ度
★★★★★
小林賢太郎×大森南朋 というだけでそそられてしまったのですが、
内容も素晴らしかったです。
ミステリー「のような」作品。ミステリーだと思って観ると、物足りないのかもしれません。
が、
小林氏の演者の使い方、本当にうまい!
【百色眼鏡】天城茎太郎の物語。
やっと本領発揮?
おすすめ度 ★★★★☆
#1と#2を見て、正直期待はずれだったKKPですが
今回は前の作品までのもどかしさが全く感じられませんでした。
役者さんがしっくりきてて、楽しめました!
ちなみに、私は椎名林檎の方は全く見ていないです。
概要
昨今のお笑いブームとはやや異なる印象を持つコメディアンコンビのラーメンズ。その一人である小林賢太郎が、自ら作・演出・出演をして年に一度のペースで行っているプロデュース公演の第4回作品を収録。大正14年、ある図書館の蔵書が250冊も盗まれるという事件が発生。さらにその図書館では幽霊が出現したという騒ぎもあり、超常現象を専門とする警視庁捜査課第三種事件係警部が解明に乗り出す。そこに推理力に秀でた作家志望の青年が現れ、互いの協力のもと、謎解きが始まる。が、図書館司書、巡査、人力車夫も巻き込み、事態は脱線に継ぐ脱線が繰り広げられる。全編コメディタッチながらミステリーとしても完成度が高く、さらにエンディングではほろりとさせられる佳作。生の舞台も観たくなります。(田中 元)