アメリカン・ニュー・シネマの再来と言われた傑作!おすすめ度
★★★★☆
公開当時アメリカン・ニュー・シネマの再来と言われた作品。ごく普通の日常生活から一転、追われる身となる。当ての無い希望に向かい彷徨する二人、この逃避行は次第に自由と希望への旅へと変わってゆく。ロード・ムービーのスタイルを取り、ごく普通の主婦にスポットを当て、当ての無い未来に希望を託して現実をさまよう姿、アンハッピー・エンドなど、「明日に向かって撃て!」、「俺たちに明日はない」等、ニュー・シネマの特徴を継承、ただ一つ異なる点は「主婦」にスポットを当てたこと。当時は主婦層に指示されたことはもちろんですが、それを抜きにしても推薦できる作品。リドリー・スコット監督の中で代表作として取り扱われることは少ないですが、私にとっては「エイリアン」と同等に傑作です。
おもしろいおすすめ度
★★★★★
平凡で冴えないテルマとルイーズが現実逃避の二人旅をすることに始まり,不運が重なって救いようのない方向へまっしぐらに突き進んでいくという展開.こう書いてしまうと単純極まりないストーリーで,結末も「あれっ,これで終わり?」という感じだが,なぜかスッキリするような爽快感があるのがこの映画の見どころ.何をやっても冴えないルイーズが映画の後半で店に強盗に入ったり,警官を脅してトランクへ押し込めるシーンなど,破滅への道を進んでいるのに拍手したくなってくるのが不思議.派手な作品ではないが脚本もいいし映像も見せ場がある.西部の荒野を背景にしたシーンなどは印象的.最後のシーンには2つのバージョンが撮影されたそうで,不採用になった方もDVDに収録されているのがうれしい.
概要
結婚生活に息詰まっている主婦のテルマ(ジーナ・デイビス)と、彼女と高校時代からの親友であるウェイトレスのルイーズ(スーザン・サランドン)は、週末を利用して車でバカンスに出掛けた。しかし、その途中テルマが強姦されそうになり、ルイーズが相手の男を殺してしまったことから、ふたりの運命の歯車が狂い始めていく……。 リドリー・スコット監督が1991年に撮った、アメリカン・ニュー・シネマをほうふつさせる女たちのロード・ムービー。アカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞しているが、それだけでは評価が低いのでは? と思わせるほど、女ふたりの心意気が胸にしみる秀作である。また今となっては、まだビッグになる前のブラッド・ピットが、テルマを誘惑し、有り金すべて持ち逃げするヒッチハイカーの役で登場しているのも見逃せないポイントだろう。(的田也寸志)