脚本の素晴らしさと衝撃のラストシーンおすすめ度
★★★★★
この作品ほど素晴らしい作品が他にあるだろうか。
まず、なんと言っても脚本の出来が素晴らしい(脚本はアカデミー賞を受賞している)。運命の歯車が狂ってしまったテルマとルイーズという2人の女性の奮闘が、冒頭からラストシーンまで全く飽きさせることなく続いていく。
自由奔放でリーダー格的性格のルイーズと夫に頭の上がらない保守的なテルマ。この2人が週末だけの小旅行に出ることになる。しかし、途中で思わぬ事件に巻き込まれ、2人の人生の歯車がどんどん狂っていく。
主演は、スーザン・サランドンとジーナ・デイビス。この2人が素晴らしいパフォーマンスを魅せ、超一級の脚本を見事に活かし切っている。受賞こそ逃したものの、2人ともアカデミー賞の主演女優賞にノミネートされた。
思わぬ事件に次々と襲われる度に、ぶつかり合い、励まし合い、乗り越えて行く2人。2人の「引っ張る方」と「従う方」という関係がいろんな事件の中で徐々に変化していく様子もうまく描かれている。
あらすじだけを聞くと、暗いイメージを抱きがちであるが、本作は逆に、とても爽快である。賛否両論のある映画史に残るラストシーンをどのように解釈するか。それはあなたが本作をどのように観るか次第。
通常この手のロードムービー、バディムービーは、男二人が主人公であることが多いが、本作は女性が主人公である点でも特殊。しかし、男顔負けのアクションも魅せるし、同時に女性の繊細な一面も垣間見ることが出来、作品に厚みを持たせている。
追記だが、本作にはブラッド・ピットがちらっと出ている。大ブレイクする前のピットが15分ほどの出番の中で、魅力全開。本作への出演で注目されスターダムにのし上がった彼を観ることができるのも本作の楽しみの一つである。