笑って泣かせる母と娘との絆おすすめ度
★★★★★
この作品で私は一生笙野頼子についていこうと決めた。
娘と母との葛藤を幻想小説という枠組みで描いた傑作である。
フロイトの提唱するエディプスコンプレックスでは、息子にとって父は乗り越えねばならない存在である。だが娘にとって母とは。
笙野氏にとっては世界と繋がる存在であり、そして世界を内包するための存在なのだ。あたかも「へその緒」で繋がれているかのように。
「母」とは存在の母であり、万人の母なのだ。
爆笑しつつもほろりとさせ、ラストには号泣する感動が待っている。
よしながふみ氏の「愛すべき娘たち」に感動した人は絶対読むべし!
笙野氏の傑作である。
「最高傑作」と書かないのは、笙野氏が今後も進化し続けるであろうからだ。
この本はおすすめ度
★★★☆☆
要するに母性神話の解体を手伝う本です。
やっぱ凄いわ。おすすめ度
★★★★★
彼女の手にかかれば「母」
が、なんじゃこりゃー!
母親から娘への抑圧も彼女が昇華すると・・・・
結構笑えますよ。
言葉の奔流おすすめ度
★★★★☆
解説を斎藤美奈子が書いてるから、というわけではないが、やはりこれは、女性であることが大きなテーマになっている作品だと思う。母と娘の葛藤とはいっても、子育て云々ではない。育てることを否定した母の話なのだから。
などと、理屈っぽく解説しようと思うと、いろんな読み方ができるが、とりあえずは言葉の奔流に身をゆだねるのがよい。不思議な快感。