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水晶内制度

笙野 頼子
おすすめ度:★★★★★
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嬉しくもまたやられた
おすすめ度 ★★★★★

~ミルキィ・イソベの装丁は、いつものように別の世界への入り口。国民が支持する神話があって、経済基盤があって国家が強固に成立する。そこで、作られる新しい国の国家戦略による神話や教育や制度。レズビアンの無い女人国。女は子供を産み育てるがセックスは唾棄される。10代の頃に女として生きにくい将来にどんよりしていた自分を思い出した。結局、私は~~社会に飼いならされてしまったのか、しかしながら。
常に異世界でも誠実であろうとする語り部に揺すぶられます。~



疾走する文学、進化するフェミニズム
おすすめ度 ★★★★★

「自由も倫理も性愛もない女人国家誕生!」というキャッチフレーズに、辛口の寓話を想像していたら、がつんと殴られました。「文学は終わった」と勝手に宣言するお気楽な面々と戦闘し続け、無視され続ける笙野氏の文学は、遥か遠くへ駆け去っていた! 女人国の保護牧場で差別されても何もわからず内部でちまちまプチ差別しあう男たちの姿に、自分も日本国ではそんな目にあいつつ無自覚にお気楽に生きてたのか、と衝撃を受けました。恋愛とかキャリアとかいう名のもとにうやむやになる多くの差別、偏見、人権侵害。しかし、この小説はそれだけでは終わらない。他人を斬るだけでなく、常に己に鋭い刃を向ける笙野氏(だからそれこそが文学じゃん)の出した結論は、性愛の極北に達しているとも言えるだろう。もはや男の性愛も女の性愛も二次元キャラへのキャラ萌えでしかないのか?新時代のフェミニズムを切り開く笙野氏に、息せききって駆け足でついて行くしかない。一緒に来る? 何はともあれ、一読の上、さあご一緒に「うわーっ!!」


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