傑作とはいえない。が、最終章は美しい。 おすすめ度 ★★★☆☆
よくも悪しくも話題になった作品だし、映画化、ドラマ化され、いずれも大ヒットしたので、多くの方が話の概要はご存知だろう。王道の難病&純愛もので、そんなにややこしい話でも無し、今更、原作を読もうという気にはならないかも知れない。実際、中盤に至るまでの展開は、なかなかに“恥かしい”。
ですが、最終章!朔太郎と亜紀の、真の“別離”と、永遠の“邂逅”が描かれるこの場面の美しさ…これだけは、映画でもドラマでも再現し切れなかったと思う。文庫の価格なら、この場面を読むために買っても…と個人的には思います。
でも、表紙は…やっぱり単行本の方(厚い雲の、わずかな切れ間から覗く青い空)が、良かったなぁ…。
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