独特な表現方法。思わず目を奪われる色とりどりの世界の中に、モノノ怪が静かに住み着いている空気がたまりません。幻想的ながらも、薬売りの小気味いい台詞の言い回しがとても癖になる。終わり方も良く、何度も見たくなるような作品。
このまま映画館で上映してみたい作品おすすめ度
★★★★★
映画館勤務なためいわゆる最先端の映像技術や3D映画も頻繁に目にしますが、
そのまま映画館で流したい、1級の作品です。この「海坊主」に限らず。
徹底的にこだわりぬいたつくり、どこのシーンを切り抜いても完璧な画面レイアウト、
和紙のようなテクスチャを貼った独特の質感。
選りすぐりの声優陣を揃え、細部に仕込まれた遊び心も楽しい。
絵や背景美術の素晴らしさは今更言うに及ばず、
練りこまれた脚本は観れば観るほど奥深く、考えさせられ、深い感動を覚えます。
絶賛するレビューしかなくてそれが眉唾に思う方も少なからずおられると思いますが、
本当に騙されたと思って一度ご覧になってみて下さい。
変わらない映像美おすすめ度
★★★★★
TVシリーズ「モノノ怪」初となる三部構成の本作「海坊主」。
今回の舞台は海を進む船上・そらりす丸。相変わらずきらびやかな装飾と浮世絵表現を多用した船内は「美しい」の一言。
この船に乗り合わせた人々も坊主、剣士、町娘、修験者など個性的なキャラクターで魅力的。
しかしそこで起こるのは突如出現したモノノ怪による船の襲撃。皆はただうろたえるが、そこに現れたのは誰あろう謎の男・薬売り!
薬売りの術によりことなきを得たが、誰かが船の進路を操作したということが判明する。一体誰が犯人なのか。
そしてこの海に現れるモノノ怪の過去の因果は何なのか。
それを不適に笑いながら解決する薬売りがとてもカッコいい!
今回は三部構成なのでとても重厚で深いストーリー展開と薬売りの探偵劇が見所ではあるが
キャラクターも多くそれぞれの個性が強烈なのでそれだけでも楽しめる。
そしてなによりもモノノ怪の醍醐味である映像美に酔いしれよう!
♪やった♪オーディオコメンタリーだ♪
おすすめ度 ★★★★★
現時点で、映像特典にオーディオコメンタリーが付くとの情報が入り、小躍りしています♪やっぱり、中村監督と作画の橋本さん、他製作スタッフの話しが聞きたいのが、この作品のファンの本音じゃないでしょうか?壱之巻の櫻井さんのインタビューも面白いので、インタビュー+オーディオコメンタリーでやって欲しかった!残念!さらに欲を言えば、10/27のイベントが『監督や製作スタッフが揃う作品愛に溢れる』内容だったと評判ですから、イベント内容も特典映像に追加して欲しい!声優さんも、たまには、シラけた雰囲気にならないイベントになるように、モノノ怪イベントを見習って欲しいな………。
概要
まるで螺鈿の絵巻物のような絢爛豪華なビジュアルショック。しかして、そこで語られる物語は人間の表面からはうかがい知ることのできない、ドロドロとした内面の情念のディープインパクト。東映アニメーションという老舗のアニメ制作スタジオから飛び出した、突然変異的な傑作シリーズこそが「モノノ怪」である。そのDVD2巻目となる本作の舞台は、巨大な船の上という密室。怪異が渦巻くアヤカシの海に船を導いた「業」の持ち主は誰か――。船に乗り合わせたのは、クセモノばかり。女性のようなメイクをした、うさんくさい自称修験者の柳幻殃斉、ギョロ目に刃傷を受けた奇怪な風貌の武士の佐々木兵衛、そして女性のような青年僧の菖源と残忍な師の源慧……。おぞましいクトゥルー神話を思わせるモノノ怪やクリムトのような感応的な美術が、世界に死の匂いを感じさせる。物語に、複雑に織り込まれた「人の業」を目撃してほしい。(志田英邦)