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全一冊 小説 上杉鷹山 (集英社文庫)

童門 冬二
おすすめ度:★★★★★
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清流政治の光と影
おすすめ度 ★★★★★

財政的に壊滅的な状態であった米沢藩に養子として迎えられた名君上杉鷹山公の藩政改革をたどった名著である。

 アメリカ合衆国第35代大統領ジョン・F・ケネディや第42代ビル・クリントンが「日本の政治家の中で最も尊敬する人物」として挙げている。

 封建社会の中で武士階級の農業を奨励するなど、当時の「常識」にとらわれず、「武士」「農民」といった垣根を越えて、民主的で清廉潔白な政治姿勢を貫いた。

 名君として評価される事が多いが、後継者育成に失敗したことと、あまりにも清流過ぎて、いつの世にも存在する、泥をかぶらざるを得ない者たちにとっては大変厳しいものであったことを見逃してはならない。
 現に旧体制派とは何度も衝突し、収拾がつかず旧臣に切腹を命じる羽目にもなっている。 

 理想的な社会では、「闇」はあってはならないのかもしれないが、現実問題、時には「清濁併せ呑む」ということも必要なのかもしれないとも感じた。
  
 リーダーが偉大すぎると他の者たちの力が育たず、リーダーを欠いたときに大変なことになるということもよくあらわされている。

 政治家・経済・福祉関係者には是非読んでもらいたい。


なせばなる、
なさねば成らぬ何事も、
成らぬは人の為さぬなりけり。

ちなみにこの有名な言葉は彼の言である。



こまったとき、悩んだときは、いつもこの本を読んでます。
おすすめ度 ★★★★★

初めてであったのが19歳。

それから何度お世話になったことか‥

心からおすすめしたい一冊です。
人としての優しさがいっぱいにつまった素晴らしい物語です☆



紹介小説としては合格
おすすめ度 ★★★★☆

あくまでも上杉鷹山を「初心者が飽きないように紹介する」小説としてみるならば、十分合格していると思います。
『小説』ですのでフィクションがかなり含まれています。一部「聖人君子」扱いしている部分もあります。また、「リーダーシップ論」などを振り回している部分もある。

ただ、それらは小説におけるスパイスのようなものだ、と見る事もできます。スパイスが効きすぎていると感じるか、これはこれでいけると感じるかは、好みの問題でしょう。

個人的には、こういうのはありだと思います。なのでその段階では星3つ。個人的に好きな上杉鷹山についての本は(織田信長や豊臣秀吉、徳川家康に比べて)圧倒的に少ないので、題材にした段階で +1。鷹山は継続を力にした人なので、「この瞬間こそが運命の分かれ道」的なものがない難しい題材だ、という理由で +1。とは言え、自分のリーダーシップ論に都合が良い部分だけハイライトを当てすぎている、という偏りに -1 としました。

『上杉鷹山?誰?それ』という人が、最初に読む本としては他のどれよりもこれを推します。藤沢周平さんの「漆の実のみのる国」はどちらかというと「竹俣美作当綱」の伝記に近く、最初に読むものとしては適さないでしょう。これを読み終わった後に読まれると、パシッとはまると思います。



元気が出る本。読む価値あり。
おすすめ度 ★★★★★

楽しく面白く読め、読んでいくうちに、残りのページが減っていくことが寂しく感じられる。ケネディ大統領が尊敬していた日本人というだけで、日本語の読める人は詠む価値があると思います。難しく読む本ではなく、楽しく読める本なので、まず読んでみて興味が出れば、難しい本に入るのもよいと思います。まずは読もう。


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