ダーク・サイドの影と愛おすすめ度
★★★★☆
世界中を熱狂させた「スター・ウォーズ/エピソード1」に続く、ノベライズ第2弾。
主人公はご存知、悪の権化ダース・ヴェイダー。
今作は、そのダース・ヴェイダーが、まだジェダイ騎士の見習いとして奮闘していた青年の頃の物語です。
無垢な愛らしい少年だったアナキン・スカイウォーカー(後のダース・ヴェイダー)は、10年の歳月を経て力溢れる凛々しい若者に成長しました。彼の師であるオビ=ワン・ケノービは、無鉄砲で傲慢な弟子の扱いに苦労しっぱなし。
そんな2人に、評議会から命令が下ります。
命令の内容は、元老院議員パドメ・アミダラの護衛。
実はこのパドメ、アナキンの初恋の女性。任務とは言え、初めて会った時よりもさらに美しくなった彼女と夢の再会を果たしたアナキンは喜びに打ち震えます。
しかし、この任務の先には予想だにしなかった巨大な陰謀が待ち受けていたのでした。
日増しに力を増すダーク・サイドの影、暗躍する政治家達、秘密裏に製造されていたクローン軍団、偉大なるジェダイ騎士の裏切り…前作よりも政治色・サスペンス色が濃くなっており、なかなか興味深い内容となっています。また、禁断の愛に身を投じるアナキンとパドメの情熱的な恋模様、オビ=ワンとアナキンの微妙な師弟関係も気になるところ。
特筆すべきは、ジュニアノベルだからこその、とてもわかりやすい文章の面白さ。登場人物の喜びや悲しみ、苦悩や葛藤が一直線に伝わってきます。
中でも特にオススメなのは、冒頭のスピーダー・チェイス。アナキンのとんでもない操縦に青くなりながらアタフタするオビ=ワンの姿が笑いを誘います。
ジュニアノベルだからといって、あなどってはいけない。
大人のスター・ウォーズ・ファンにもオススメの1冊です。