調整ではイコライザーとコンプレッサーをうまく使ってください。作業が格段に楽になりますおすすめ度
★★★★★
(2008年6月1日追記。7月に、もっと扱いやすくなった「鏡音リン・レン ACT2」がリリースされる予定です。新ライブラリは現行版と共存可能で、購入済みユーザーには新版が郵送されます。以下に書いた話は、昨年末に発売された現行版に関する内容なので、もしかしたら将来的にはあまり考えなくていい操作かも知れません。)
(6月8日追記。DTMマガジン7月号の記事によると、ACT2リリース後に出荷されるパッケージは、現行版と区別できるようデザインが少し変わり、ACT2のみが収録されるとのことです。両方の歌唱スタイルを確保したい人は、今のうちに現行版を入手したほうがいいかも知れません。)
デモソングが公開された時から、初音ミクより扱いが難しそうだと言われていた鏡音リン・レンですが、「動画に字幕をつけて補わなくても、声だけ聞いて歌詞の日本語を聞き取れる」という、歌として基本ラインのレベルのものを作るのは、それほど難しくありません。ただし、DAW環境(DTMソフト)は必須と言っていいです。あるとないでは作業効率が全然違います。高価なものである必要はありません。フリーウェアもあります。
調整にコンプレッサーを使った場合には、扱いが難しいと思われているレンのほうが、むしろリンよりも楽です。ベロシティもダイナミクスも固定したベタうちの譜面をいきなり歌わせて作ったwaveデータでも、コンプレッサーにかけて音量変動を抑えてやれば、歌詞の90%以上は聞き取れるようになります。リン、レンともに、そこを出発点にして発音や音のつながりのおかしな部分だけ元の楽譜に対して修正を加えれば、あまり手間をかけずに自然な歌声を得ることができます。
コンプレッサーのソフトをどう調整するかは、そのソフトの特性や曲のジャンルによって変わるので一概には言えませんが、ダイナミックレンジをもとの1/4程度に抑えるくらいが、ひとつの目安でしょう。つぶし過ぎると、お経のような平べったい感じになります。子音が弱いと感じるなら、アタックを長めにしてください(声の出だしを圧縮しない)。逆に立ち上がりがパンパンと破裂するような雑音になってしまうなら、プリコンプレスの時間を設定してください。
意外に思う人もいると思いますが、リンのほうが音量の変動範囲は大きいので、ふたりを同時に歌わせるときは、リンの圧縮率を大きめにしたほうがいいかも知れません(レンは変化のスピードが速い)。圧縮しすぎで表現力が弱いと感じられる場合、使っているのがRMSコンプレッサーなら、平均時間を長めにしてください。それによって、声の立ち上がりの勢いは残しつつ、平均的な音量を均一化することができます。ところで、レンはメーカーがレンの得意音域と言っている範囲より低い声でも、イコライザで過剰な低音成分を削れば意外と自然な声になり使い道が広いです(低音域ではあまり音量の変動がないので、ダイナミックレンジの圧縮は1/3程度で十分)。
音符のつながりについては、漠然と「なめらかにつなぎたい」と思うのではなく、音には3要素(高さ、強さ、音色)があることを意識して、今はそのどれを優先的に処理したいかを考えながら作業すると、無駄な調整をしないですみます。どういうスタイルで歌わせるかは各人の好み。個人的には、ピッチベンドはなくしポルタメントもあまりかけないほうが子供らしい元気な雰囲気で好きですが、ミクと似た口調で歌わせたいなら、つながりの悪い音符を右クリックして上行・下行ポルタメントのところにチェックを入れてください(デフォルト歌唱スタイルでこれをチェックすると音痴になるのでやめましょう)。
子音の聞き取りにくさについては、残念ながら一発で解決できるような技法は見当たりませんが、コンプレッサーで音量変動を抑えただけでも、かなりの部分は救済されているはずです。
そして音色。レンは、低音部で母音が「え」だか「お」だか分からない変な声になることがあります。同じ高さの「え」でも、ボーカロイドは子音とのつながりに応じた複数の波形を持っていて、音符に「え」とだけ入れた場合と「て」など子音に続く場合とでは母音の部分の波形が違います。声色が変だと感じられるときは、音符を分割し、短い「て」+長い「え」などにします。これで、同じの母音の違う波形が選ばれ声色が変わる可能性があります。(ミクの場合とは、音符を分割する目的が違います。ミクの場合は発音タイミングの調整のために分割する程度ですが、ここでは声色の切り替えのために分割しています)
ただし、つなぎ目が不自然になることもあるので、もとの声に問題がないならわざわざ分割する必要はありません。まず普通に入力し、変なときだけ修正してください。なお、リン・レンともに、分割でできる短い音符を本来より半音下あるいは上にずらすと、声の出始めが強調されることもあり、同じ高さの音符が続いて子音が聞き取りにくい場合の対策などに有効です。
ハードルは確かに高めのソフトです。が、ミクは、こちらの設定どおりに歌ってくれる反面、そうであるがゆえか色々と設定してやらないと表現力が弱かったのに対し、リンとレンは、声色の変化が大きいのでほったらかしでもいろんな表情を見せてくれます。修正は、駄目な部分だけをピンポイントでやればよく、必要以上にいじると泥沼化します。コントロールは程ほどにして、あとは当人たちの自主性に任せていいでしょう。うまく調子に乗せられれば、非常に面白い歌い方をしてくれます。
歌のジャンルと声が気に入ったのならどうぞおすすめ度
★★★★☆
初音ミクをもっててこれを購入したのですが、同じ操作で作るものの癖はまったく
別ですミクと同じデータファイルを読ませると舌足らずで発音がぼやけてしまいます。
なのでしっとりした歌は歌いにくく元気な歌は歌いやすいのですが・・
どっちを買うか迷った場合、難易度で言えばミクのほうがベタ打ちでもそれなりに歌ってくれるのですが、
初心者がどっちに手をだせば良いかと言ったら声が気に入ったほうを手に入れたほうのVocaloidを手に入れる事をお勧めします。
ミクで覚えた調整の癖を覚えず調整したほうが素直に覚えられるでしょうし
好きな声を聞きながら調整してたほうが絶対楽しいです。
歌わせたい歌のジャンルで決めるのも良いかもしれません。
熱い歌や演歌など歌わせたいならこちらをお勧めします。
倍音が多いらしくBGMに負けない声を出してくれます。
逆にミクは発音がしっかりしてるけど声に厚みがないのでしっとりした歌に向いています。
私の好きな系統の歌には向いてないのでミクのほうが出番が多そうです。
唯一単体でデュエット可能な製品おすすめ度
★★★★★
このソフトは、VOCALOIDシリーズでは、初めての
「 ツインヴォーカル 」
となっています。多分、VOCALOIDシリーズでは、2製品購入された人しか
経験していない、
「 パートごとに違うヴォーカルに入れ替えて歌う 」
と言う方法を最初から体験できます。この部分はお得感がある気がします。
実際のリンとレンの声ですが、デフォルトでも結構違います。
ただ、「 初音ミク 」 と比較すると伸びやかに歌わない感じです。
( ちょっと癖のある歌い方をします。 )
また、「 初音ミク 」 とは絶対的なパラメータ設定が違うので、作
ったピアノロールを流用する場合、再編集の必要があります。
(初音ミクでいい感じでもこのソフトでは恐ろしいことになります。)
声質的に、結構はっきりしているリンの声は使い慣れると幅が広く面白
いと思いますし、ジェンダーやピッチの変更以外で別の声が用意されてい
るので、面白い製品だと思います。
僕は、この特性がまだ理解できていないので、まともに使えていません
が、使いこなすと面白く、コストパフォーマンスは相当いいと思います。
ただ、はじめてVOCALOIDシリーズを購入される場合だと、ストレートに
打ち込むだけでもある程度歌ってくれる
「 初音ミク 」
のほうがいいかなと思います。
とりあえず、今までの製品では、単一ヴォーカルですから使うことが無
かった
「 SINGER 」
タブにヴォーカル切替えがありますから、そこで登録し、
「 TRACK 」
の横のRボタンで登録するとその状況が反映されるようです。
それを利用して、
・ 単一のピアノロールを小節ごとに別々のヴォーカルで歌う
・ 別々のトラックをコーラスのように別々のヴォーカルで歌う
と言う事ができます。
将来性を期待できるソフト。おすすめ度
★★★★☆
初音ミクは、声を楽器に見立て、歌手なき作曲者に「歌い手付きの作曲経験」をさせた意味がある。そのVER.UP版の今作であるが、選択できる歌手が、萌え萌え系の女の子と少年(しかも、女装の少年とべも云うべき・・・)であり、歌手のジャンルが少々偏る気がする。そして、歌手エディットで、もう少し声を太くし男性的な声をつくろうとすると必要以上、或いは、人知を超えた声をだすようになる。まだまだこのジャンルは研究が必要だ。ただ、こうした企画は非常に面白い。
次回作を期待したい。
とてつもない可能性を秘めたシンガーですな
おすすめ度 ★★★★★
まだ初音ミク程弄っていませんが、発音のアタック感というか音圧がそもそもミクより太い
ので、オケに負けない声が出ます。
ニコニコ動画を見ていても、そのあたりの特徴を掴んだ曲はとても通りが良く聞こえます。
そして、やっぱりコブシ回しのも得意な様で、演歌や音頭的な物もイケてるみたいですw
ただ、使った皆さんも思っていると思うのですが、ほぼベタ打ちでもなんとか発音していた
ミクとは違い、より作成者の表情付けがしっかりしていないとこの2人(リン/レン)は歌
ってくれないので、初心者の人はここが最初の壁かも知れないですね。
個人的には弄りがいがあって非常に面白いと思いますが、MIDIデータそのものをいじった事
が無い人は初音ミクから入った方が無難かも知れないですね。
性能を活かしきるととんでもない爆発力を持ったシンガーだと思います。
第3弾はどうなる事やら今から楽しみです。
概要
動画投稿サイトなどで大人気となった、バーチャル・シンガーに自分の好きな歌を歌わせることができるキャラクター・ボーカルシリーズの第2弾。ボーカロイド(ボーカル・アンドロイド)「初音ミク」に続いて登場したのは、男女の双子ユニット「鏡音リン・レン」。女性・男性ともに演じるのは声優の下田麻美で、若さ溢れる思春期のキャラクター・ボイスを収録。その歌声は、声の通りが良く、明瞭でハッキリとしたサウンドを特徴とし、パワフルなロック系ポップス、エレクトロ系ダンスポップス、ソウルフルなポップス、歌謡曲に向いている。
また、ユーザーがエディットで微調整することにより、同じ曲を歌わせても個性を出すことが可能。ジェンダーファクター機能で、男性的な要素を加える事により、声に太さが加えられたソウルシンガー風になったり、女性的な要素を強く加える事により、エレクトリックな質感を得られるなど、やり込めはやり込むほどバリエーション豊かな歌声を楽しむことができる。(三井貴美子)