時間論の基礎文献おすすめ度
★★★★★
有名な「持続」概念を確立した一冊として古典中の古典になっている著作。
ベルクソンは時間が空間的なメタファーにおいて理解されている事に注目し、現在というものが理解しづらいのはこのためだと喝破した。現在を点に取れば、音楽作品のメロディを「今聴いているメロディ」として認識出来る事の説明がつかなくなり、逆に現在に幅を取ると過去や未来はどこから始まるのかがわからなくなる。これは時間を積み木細工のように考えているからである。しかし「今」と「過去」や「未来」が同時に同じ所に存在できるものであると考えた時、この難問は解決される。
訳も新訳で読みやすくなり、しかも文庫本で安い。一家に一冊。