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ダンサー・イン・ザ・ダーク

ラース・フォン・トリアー
おすすめ度:★★★★★
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ある一人の母親の愛の形
おすすめ度 ★★★★★

当初はビョークのPV程度に思って見ていましたが
終わり方がショッキング過ぎて心に引っかかってて
改めてみてみました。

セルマがどうして障害が遺伝すると知りながら
子供を産んだのか?という問いに対し、
自分の子供を抱きたかったから、と答えます。

つまり自己満足、母親になる自己実現のための
手段として子供を産んでしまったことに彼女なりに、
自分のエゴに罪悪感を持っていたのでは、と思いました。

だから子供に障害を享受させてまで自分の生にしがみつく
ことに彼女は抵抗を感じ、彼女なりの母親としての責任感で
死刑を選んだのでは、と思いました。
思えば冒頭からの彼女の生き様は子供への罪滅ぼしのだったの
かも、と思ってみたり。

願わくはいずれ息子にその気持ちが理解してもらえれば、と思いました。



二流ストーリーに一流ミュージカル。
おすすめ度 ★★★★☆

音楽好き&ビョーク好きなのでミュージカルシーンは非常に楽しめました。サントラも買って3年以上ヘヴィローテーションに入ってます(笑)


で、映画なんですが、二流ストーリーをミュージカルシーンや映像の魅力で無理に一流にしようとした映画のように思います。
映画ファンより音楽ファンにお薦めします。


賛否両論ありますが、正直心配なのは映画の評価よりも、この映画のせいでビョークやミュージカルに拒否反応を抱く人が出てしまうことです…。



闇の中で
おすすめ度 ★★★★★

映画というのは、何かしら『伝えたい事』があって成立するものだと私は思う。

例えばこの映画、あらすじだけを見てみると、
子供を愛する母の愛とか、
障害を乗り越えて生きる女の強さとか、
歌う幸せ、踊る喜び、
そういったものが根底に流れているのだと、そう思わせる。少なくとも私はそう思った。

けれど、
そういった『あらすじ』がひとたび映像化されると、
何がなんだかわけの分からないものに早代わりしてしまう作品がたまーに存在する。
私にとってはこの映画がそれ。


単に『芸術的な映画』と言ってしまえばそれまでだが、
そんな一言では片付けられないような静かな力を感じる。
小説や舞台ではありえない、映画だからこそ生み出す事のできる力。
色とか空気のようなものにも似ていると思う。

この映画の魅力はそこにあると思う。


否応なしに五つ星をつけてしまう人は私以外にも大勢いらっしゃるのではないだろうか。



見ろ、「新しい世界」を
おすすめ度 ★★★★★

 この作品のエンディングは、僕の中の「映画」を変えた。四面楚歌の絶望に追い込まれて全てを失うひとりの女性の最後を記録した本作のエンディング。ビョーク演じるセルマは、お金や視力だけでなく、命までも失った。果たして、この映画はそれで本当に「終わった」のだろうか。この映画を観た友だちはみんな口を合わせたみたいに「暗い」としか言ってくれなくて困るのだけど、その観方ではまだまだ中途半端だ。この作品は、セルマが死を迎え、ビョークが歌うエンディング曲の“ニュー・ワールド”が流れ始めて、そこから「始まる」のだ。あらゆる悲しみと絶望を経験し、それでもセルマが生き生きと歌っていたのは、全てを感じ終えた後にこそ始まる何かを信じる喜びを、彼女は決して忘れなかったからだ。もっと、エンディング直前にスクリーンの真ん中に浮かび上がってくる言葉の意味や、“ニュー・ワールド”の歌詞に注目して欲しい。ありったけの絶望の向こう側にあるはずの、わずかに残された何かに思いを馳せる希望。本作のエンディングは、極めて高度な表現力でその希望の中身を伝えているのだ。


概要
ビョーク扮するセルマは、チェコからの移民。プレス工場で働き、唯一の楽しみはミュージカルという空想の世界を創りあげること。遺伝性疾患のため衰えていく視力と闘いながら、同じ病に侵された息子の手術費用を稼ぐため身を粉にして働く毎日。そのセルマにあまりに残酷な運命が待ち受けていた…。
「非の打ちどころのないすばらしい音楽の美と、不完全で醜悪な現実が並列して描かれている。同時に演奏する2つのオーケストラのように」と同名の書で評されているように、これほど観る人のあらゆる感情を暴力的なまでに呼び覚ますミュージカルはほかにない。ラース・フォン・トリアー監督が「ビョークはセルマであり、セルマはビョークだった」と述べたように、ビョークはセルマを演じるというよりも、セルマに心を宿したビョーク自身がメッセージを投げかけているようにみえる。
洗練されすぎたカメラワークを嫌う監督が、100台のカメラを駆使して撮りあげたトリアーワールドは絶対に見逃せない。本作は2000年カンヌ映画祭でパルムドールに輝いた。(野澤敦子)

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