9人の作家による競作アンソロジーコミック集。同じ「シュガー」という作品が、人によってどのように解釈されているかが判ります。作品としては…、DVD見てて、噴水の絵が出てくるとそこで滝に打たれているシュガーが幻視されるようになってしまったところを見ると、面白いから印象に残っているんでしょう。
この本の特徴は?おすすめ度
★★★★☆
言ってしまえば普通のムック本なのですが、『ちっちゃな雪使いシュガー』ならではの絵のクオリティの高さによって、ワンランク上の物に仕上がっています。
ムック本の常ながら、目を引く企画がなければどうしても物足りなく映りますが、この本の特筆すべき点といえば、さりげないところで読む側(つまり、アニメ視聴者)をアッと言わせるところです。
例えば、9~12話(クマのピアニスト編)に登場したヴィンセントさんのくだり。放映時に誰もが感じた疑問の答えを、一解釈という形で提示しています。
あとは、とにかく『ちっちゃな雪使いシュガー』の“良質さ”というものを感じるための本です。本棚の片隅(直射日光の当たらない場所)にさりげなく置いておき、たとえば2年後、フッと手に取!!った時に、作品の“良質さ”を思い返させてくれるものだと思います。