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奇蹟の輝き

ビンセント・ウォード
おすすめ度:★★★★★
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霊界を真剣に描いた監督始めスタッフの皆さんに脱帽!想念の世界とは正にこの世界!
おすすめ度 ★★★★★

今から9年ほど前でしょうか…ロビン・ウィリアムスという名俳優自体が好きだった事もあり、今は休館している渋谷文化会館の確か1階のだだっぴろい映画館で鑑賞致しました。その時、思ったのは…霊界って、こんな感じなんだろうなあ…という「風景」の奇麗さでした。

時は経ち、現在では「オーラの泉」の多大な影響が色濃く、ようやく霊界の存在を疑いながらも信じたい、そういう人々が増えて来ている、そんな感触を受けておりました。そんな時、ある広告でこの映画を思い出し…アマゾンで注文して、じっくりと拝見させていただきました。

この映画のストーリーは結構簡潔で、交通事故で先に死んだ夫が霊界で楽しんでいる所に、夫を亡くした事を未練に感じて妻が自殺して…地獄へ行ってしまう。それを知った夫が地獄から妻を救い出す、そういうストーリーです。スピリチュアリズムが今のように日本で知られていない10年前に、良く配給されたなあ…と感慨深く、かつ僕はこの映画の「霊界」の描き方、に素晴らしいものがあると思い直した次第です。

今や信じる、信じないという域を超えようと、スピリチュアリズムが浸透しようとしている時代に、今一度「10年ぐらい前にこんな素晴らしい映画があったよ!」と皆さんに知っていただきたく、このレビューを書き込みました。是非、鑑賞を!



自分にソウルメイトがいるか分かる映画。涙で画面が観られない。
おすすめ度 ★★★★★

美しい映像、美しい物語、美しい音楽。完璧です。この映画は死後の世界を扱っているので好みは大きく分かれるでしょう。死後の世界を見て帰ってきたのは、スウェーデン・ボルグ(自称)のみで生きている人は誰一人いないからです。死後の世界観は幻想と言えばそれまでです。ただ、多くの臨死体験者やボルグなどの神秘学者達の書きつづった死後の世界が、この映画では忠実に再現されているのに驚きました。ただの娯楽重視の監督思い込み映画ではありません。この映画はある意味で私達に真実を見せてくれます。それは魂の真実の姿です。ソウルメイト(魂の友)、日本風にいうなら運命の赤い糸で結ばれた二人を主人公に、ギリシャ神話のオルフェばりのダイナミックに物語は展開します。映像や奇抜なアイディアはありますが、核となるのは家族、隣人、そして愛する夫婦の物語です。霊やあの世をテーマにした映画は多々ありますが、この映画こそ決定版と言えるでしょう。興行的に失敗したのは非常に残念ですが、是非DVDの日本語吹き替えで観てください。物語に集中出来るからです。ソウルメイトに出会ったことがある人は大泣き間違いなしです。逆にこの映画で泣ける人は、既にソウルメイトに会っています。話は別ですが、個人的な希望としてはヴィンセント・ウォード監督のウィザードがもの凄く観たいです。かつてビデオでありましたが現在は廃盤。黒死病が流行る中世の村で命を求めて現代にタイムスリップする冒険物語。エンヤの美しい歌と共に大変に感慨深い映画でした。どこかの会社で是非DVDにして欲しいです。



大霊界…
おすすめ度 ★★★★★

ストーリーは『大霊界』だが、映画というものがストーリーだけでできているのではない、という当然のことを教えてくれる作品だ。まず美術の美しさ。これまでにも、これ以降にも似た美術はない。とことんまで人工的なのに、奥行きや温かみがある。荘厳な音楽とも相まって、古典的な風格に満ちている。宗教観が雰囲気に留まっているのが肌に合わない人もいるかもしれないが、素直にほのぼのした映画を観たという気分になれる点では良いのではないか。繰り返しになるが、本当に美術は驚異的だ。美しい。



見たことのない世界観
おすすめ度 ★★★★★

死後の世界を描いた作品で夫婦愛と家族愛の強さを感じる話です。最愛の人たちを失う哀しみと一途に相手を想う純粋な愛の両方がうまく組み合わさっていると思います。ストーリーも良くできていますが、何よりも良いのが映像です。
誰も見たことがないあの世を映像化するという難題にも関わらず、絵画のような多彩な色と想像豊かな構成で見事に表現できています。同年作品の『アルマゲドン』を抑えてアカデミー賞最優秀視覚効果賞を受賞したのにも納得できると思います。
主演のロビン・ウィリアムスの作品としてはいつものようなエンターテイメント的な演技ではなく、大真面目な演技で良き父親、夫を演じていますが、そんな彼もとても素敵です。
永遠の愛と永遠に続かない生命の2つのつながりをぜひ見てください。



この映画は、心が"闇"に吸い寄せられるのを、抑止してくれる映画だと思う。
おすすめ度 ★★★★★

 大変に個人的なことから申し上げることに、ご容赦を賜りたい。
 私は、父親が45歳の時の子供で、一人っ子である。従って、私が小学校に入学した時、父は52歳になっていた。父親参観等で、児童の父親たちが一堂に会するときなどは、ほぼ、総ての場面で、父は最年長者だった。殆どの場合、クラス担任の教員もまた、父よりも年少だった。
 私は、そんな父親を、ごく自然に、とても誇らしく感じた。「先生も知らない昔のことを知っている家のお父さんは、偉いんだなぁ……」と、素直に、そう思った。私にも、反抗期はあった。しかし、小学生のころに感じた、父に対する名状し難いノスタルジックな愛着は、一貫して、私の胸中から去ることが無い。
 その一方で、私の中には、父が何歳まで元気でいてくれるのだろうかという、とても本質的な不安が、幼い頃から有った様に感じる。毎年お盆になると富山の菩提寺からご住職が来られ、ささやかな仏壇にお祀りしているご先祖様のお位牌に、お経を上げてくださっていた。
 幼い私には、何故か、お位牌にお経を供えてくださるご住職の様子が、とても怖いものに感じられた。「お父さんも、何時かは、お仏壇の中に入っちゃうのかしら?」と、漠然とした不安を感じたことを、今でも覚えている。
 前置きが長くなったことを、率直にお詫びする。
 こんなバックグラウンドを持ったことが原因なのかどうかわからないが、私は学部時代、丹波哲郎氏の「大霊界」についての著作に触れ、大きな世界観の逆転を経験した。いわゆる彼岸と此岸との主客が、私の中で、逆転した。
 人の霊魂が肉体から離れるとき、霊界からのガイドや、一足先に旅立った縁ある方たちが、団体で出迎えてくれることを知った時、私は、胸に熱いものがこみ上げてきて、涙が止まらなかった。
 この映画の中に、不慮の交通事故で命を落とした父親と二人の子供たちとが、霊界で再会するシーンがある。このシーンをを見たとき、20年前に、丹波氏の著作に触れたときに感じたのと、全く同じメッセージを、私は受け取った。……涙腺が、またしても決壊してしまった……。
 折りしも、それは父が脳梗塞の後の、リハビリに励んでいたころのこと。既に、事実上の父子家庭になっていた私にとって、この映画は、何時かはやってくるであろう父の彼岸への"帰還のとき"と、"帰還してなお断ち切られない魂の絆"とを、めくるめく映像美と俳優陣の誠実な演技とによって、私に「予告」してくれた、大切な一篇なのである。言わば、私の「心の映画」なのである。
 父は脳梗塞を克服し、その後の5年間を、かなり元気に過ごした。6年目に、末期の癌であることがわかったが、本人にはことさら伝えず、献身的なヘルパーさんと私との二人三脚の在宅介護を経て、84年間の"現役を除隊"した……。
 この映画は、うっかりすると、"闇"に吸い寄せられそうになる私の弱い心を正気にさせ、喝を入れてくれる、ありがたい作品となった。(了)


概要
医師のクリス(ロビン・ウィリアムス)は愛する子どもを亡くして悲嘆に暮れていたところ、自分も事故で命を亡くして天国へ。しかし、地上に遺してきた愛妻アニー(アナベル・シオラ)が悲しみのあまり自殺して地獄に墜ちてしまったことを知った彼は、妻を救出しに地獄へと向かう…。
まるで丹波哲郎が解く“大霊界”の世界をアメリカで映画化したかのようなファンタスティック・ラブストーリー。自殺した者は地獄行きというあたり、まさに丹波の教えそのものだ。油絵タッチを巧みに活かした天国のCG描写など技術的にも観るべきところは多いが、あくまでも夫婦愛に焦点を絞った展開が潔くもハートフルでよい。監督は『ビジル』『心の地図』などニュージーランド映画界の俊英ヴィンセント・ウォード。(的田也寸志)

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