たった一人の君だから…ソールメイトおすすめ度
★★★★★
先日、友人と「ソールメイトはいるか否か」という話をした。
この映画はそのソールメイトに重きを置いた映画で、映画を観た私にとっては「いると信じたい」というのが意見だった。
本題に戻るが、子供を亡くして自分も死んでしまったロビンウイリアムスが、全てを悔やんで自殺をした奥さんを地獄まで探しに行くという話である。宗教界では往々にしてある話だけれど、自殺者は地獄へ行くという設定なのである。
天国から地獄への道のりを道案内してくれる男女を「心の目」で観るロビンウイリアムスが印象的だ。死んでまでも人というのは色眼鏡をはずせないでいるのだ、という悲しさを見た気がした。そして地獄から奥さんを救い出すその思いはやはりソールメイトならではの業だったと思う。
ストーリー!もさることながら、映像も悪くないので「ソールメイト系の話はちょっと」と言う人もみやすいかもしれない。
概要
医師のクリス(ロビン・ウィリアムス)は愛する子どもを亡くして悲嘆に暮れていたところ、自分も事故で命を亡くして天国へ。しかし、地上に遺してきた愛妻アニー(アナベル・シオラ)が悲しみのあまり自殺して地獄に墜ちてしまったことを知った彼は、妻を救出しに地獄へと向かう…。
まるで丹波哲郎が解く“大霊界”の世界をアメリカで映画化したかのようなファンタスティック・ラブストーリー。自殺した者は地獄行きというあたり、まさに丹波の教えそのものだ。油絵タッチを巧みに活かした天国のCG描写など技術的にも観るべきところは多いが、あくまでも夫婦愛に焦点を絞った展開が潔くもハートフルでよい。監督は『ビジル』『心の地図』などニュージーランド映画界の俊英ヴィンセント・ウォード。(的田也寸志)