観る人によって見所が変わる映画ではないでしょうかおすすめ度
★★★★☆
すこぶる頭のキレる少年詐欺師と、彼を追うFBI捜査官。
果たして少年は捕まってしまうのか!?
そんなストーリーだと思って見始めてみたけれど、
実際には少年と家族のあれこれや、少年詐欺師と捜査官の
不可思議な友情だったりが主眼のお話でした。
少年は詐欺師で犯罪者なわけだけれど、その犯罪は決して凶悪ではなく、
どこかコミカルなその手口には、いけないと思いながら爽快感を覚えるほど。
しかし同時に、少年は詐欺師であるが故の
「真実を話せるひとがいない孤独」をずっと抱えているわけです。
クリスマスのたびにつながる捜査官との不確かな糸に、
少年はその孤独をほんの少しだけ癒す…。
と、少年詐欺師と捜査官との心の交流がメイン、というような
書き方をしてしまいましたが、実はいろいろな要素が
入り混じった映画だと思います。
レオナルド・ディカプリオとトム・ハンクスの追いつ追われつの
攻防を楽しむも良し、少年詐欺師と父親のささやかながらも確かな
親子の信頼関係にじんわりするもよし、
ラストの二人の友情に心癒されるもよし。
いろいろな要素がつまっている分、そのひとつひとつが
掘り下げられているとは思わないけれど、見て損はないと思います。
ハッピーエンドなので、ちょっと重たい映画で心が疲れたときにでも。
人生の寂しさを背負ったスマートな犯罪者・・・実在の人物がモデルとは!!おすすめ度
★★★★★
軽快な音楽と、おしゃれなデザインの登場人物紹介から、まず引き込まれます。レオナルドデカプリオ扮する主人公のきれいな容姿と若いくせにあまりに度胸のある知能犯ぶり・・・に思わず「ばれないだろうか」とはらはらして、映画はテンポよく進んでいきます。(この主人公が、実在の人物と知って、思わず彼の著作を買うことに決めました。)
犯罪者とはいえ、同情してしまう家庭環境。心の行き場のなさ・・・も同時に示されていきます。
この犯罪者を追いかけるのは、トムハンクスと来れば、最後の方の二人のやりとりの会話が面白いのは、必然でしょう。未曾有の大詐欺師にFBI捜査官が魅了されていく、これこそ何より凄い「騙し」のテクニックかもしれませんが・・・。
概要
1963年、16歳のフランク・アバグネイルJr. は、両親の離婚を機に家出。航空会社からパイロット情報を入手し、まんまとなりすましたうえに偽装小切手も使いこなす詐欺師になる。16歳から21歳までの間に400 万ドルを稼いだ十代の詐欺師の実話をスティーブン・スピルバーグが映画化。
主役の詐欺師にレオナルド・ディカプリオ、彼を追跡するFBI捜査官にトム・ハンクスが扮して、フットワーク軽い小気味いい芝居でテンポよく見せていく。パイロット、医者、弁護士と変身していくディカプリオのコスプレショーも楽しいし、詐欺のテクニックも魅せるが、生きていくために詐欺師にならざるをえなかった主人公の皮肉な運命、未熟な心、孤独を垣間見せるドラマも興味深い。60年代の風景、衣装など美術も見応えたっぷり。共演はクリストファー・ウォーケン、ナタリー・バイ。(斎藤 香)