その明晰な頭脳とチャーミングな人柄で観るものを引き付けるおすすめ度
★★★★★
セミノンフィクションということで、「我々にも、もしかしたらこん
なことが出来るかもしれない」という夢を託した思いが徐々に
宿ってくる。
さらに、観るものをあっと言わせるテンポ良いストーリー展開が引き
付けられる。
また、フィルムに随所に現れる”一人きりのクリスマス”が妙に
切ない。追いかけ、追われつつも、二人の間に次第に宿る温かい
感情。友情とでも言うのだろうか。。。
最後のカール・ハンディの言葉「嘘の中で生きた方が楽なんだ。」は、
詐欺を働き続けたフランクのみならず、複雑な現代を生きる我々の
心にぐっと衝きつけられる。
逃げるレオ!追うトム!おすすめ度
★★★☆☆
逃げるレオ。追うトム。フランク・シナトラが流れる予告編。監督がスピルバーグ、主演がレオナルド・ディカプリオ、そして名優トム・ハンクス。期待しすぎてしまいました。
まあ、それなりの映画ですが、あまり、スパイスが利いていないような。天才詐欺師フランクの凄さがあまり伝わってこないのは何故でしょう。やはり家族愛が主題だってことなのでしょうか。
けっこう、楽しめる映画だと思います。
可もあり不可もあり
おすすめ度 ★★★☆☆
先に原作を大変興味深く読んだ。
で、こういうリアルな話をファンタジーの人スピルバーグに撮らせるのはどうか?と思ってた。
案の定彼は、再び飛行機にインチキ搭乗しようとするディカプリオ(詐欺師)をトムハンクス(警察)が戻ってくると信用し見送る、などという改悪をやってしまう。こんな事現実にある訳ない。
だが、こういうフィクションの引力圏に堕したノンフィクションという側面をはらみつつ、全編はツボを心得た起伏あるエンターテイメントとして仕上げられてはいて、結構面白く観てしまったのも確かだったりする。
という事で、この作品をトータルに評価するのはとても難しい。
悩んだ末星3つですが、これって可もなし不可もなしの佳作としての星3つではなく、可もあり不可もありでとても判断に困って星3つという意味です。
冒頭のアートワークが素晴らしく印象に残りました。
概要
1963年、16歳のフランク・アバグネイルJr. は、両親の離婚を機に家出。航空会社からパイロット情報を入手し、まんまとなりすましたうえに偽装小切手も使いこなす詐欺師になる。16歳から21歳までの間に400 万ドルを稼いだ十代の詐欺師の実話をスティーブン・スピルバーグが映画化。
主役の詐欺師にレオナルド・ディカプリオ、彼を追跡するFBI捜査官にトム・ハンクスが扮して、フットワーク軽い小気味いい芝居でテンポよく見せていく。パイロット、医者、弁護士と変身していくディカプリオのコスプレショーも楽しいし、詐欺のテクニックも魅せるが、生きていくために詐欺師にならざるをえなかった主人公の皮肉な運命、未熟な心、孤独を垣間見せるドラマも興味深い。60年代の風景、衣装など美術も見応えたっぷり。共演はクリストファー・ウォーケン、ナタリー・バイ。(斎藤 香)