学校の先生を目指していた清水氏の「学問って面白いんだよ」という主張を体現したシリーズの理科編。理科編には続編の「もっとおもしろくても理科」もある。一見、ふざけた内容のフリをしながら、行間に著者の熱意が伝わって来る。ああ〜この人は先生になって、こういう風に授業をしたかったんだ、と思わせるものがある。きっと多くの若い(幼い)人に読んで欲しいと思って書いたと思う(心だけ若くとも良い)。
相手としてサイバラを選んだのは慧眼。生徒としての雰囲気もあるし、天然ボケと独特のタッチのマンガで読み易さを倍増してくれる。理科にチョットでも興味のある方に、あるいは学生時代に理科は苦手だったという方にもお勧めの一作。
面白うて、やがて・・・おすすめ度
★★★★★
~つくづく、この作者は教育者であると思う。
教員になるための学校を出て作家になられただけあって、常に教育が視野にあるのだろう。
この「面白くても理科」やこのあとに続く「どうころんでも社会科」「いやでも楽しめる
算数」など、一連のシリーズの冒頭では、随筆調に自己の学んできた思い出などを語りつつ
「理科が嫌い」「社会がつまらない」「算~~数が苦手だ」という人たちがどうしてそうなるの
かを、ゆっくりと考える。
その中で、好きな人は「ああ、俺はこうだった。そこはクリアしたんだよ。」
嫌いな人は「ああ、そうそう、そうなんだよね」と考え、きっちり作者の罠にはまる。
罠にはめてしまえば、聞く姿勢になるんだけど、やっぱり理科は簡単ではなくて(笑)
作者も時に苦しみながら説~~明をしてくれるのが伝わってきて、それも楽しい。
挿絵の西原氏の漫画も、冴えている。
無関係のようでいて、けっこう掛け合いになっているのもすばらしい。
理科再発見のような本として読んでもいいし、自分ならどう説明するかを考えるのも
よい。理科好きにはぜひご一読を(あれ?? 理科嫌いには?)
本書だけでなく、社会も算数もおすすめ。~
理科アレルギーの人やばりばりの理系の人にお勧めおすすめ度
★★★★☆
この本を読んで一番うけるのは、多分、理系アレルギーの人であり、二番目は理系ばりばりの人でしょう。理系アレルギーの人は、そうだったのかと積年の謎と恨みが解け、理系ばりばりの人は、こういう説明のしかたもあったのかと感心するでしょう。
それで、そのいずれでもない人は、少し清水義範のおしつけがましい説明に辟易するかもしれません。それでも、清水の文章力とたまさかの鋭い文化的指摘、あと、西原理恵子の挿絵は楽しむことができるでしょう。
で、自分は、「走っている電車の中で飛び上がった時、どうして飛び上がったその、同じ時点におりてくる」のか、という説明に、そうだったのかと思った口であった。それと、海の生き物をビデオでとるというのは、おもしろそうで、一度やってみたいと思ってみたりもした。
理科が好きだった文系人にはちょっとつらいかも。おすすめ度
★★★☆☆
たまたま手にした続編の「もっとおもしろくても理科」がわりと面白くって、そこに言及されている本編の内容に興味があったので、ゲットした。
理科が苦手な文系の人のためにかかれたようだが、逆に理科は好きだかったけど、数学が嫌いだったから文系に行った私のようなものにはちょっと読みづらかったりする。続編とくらべてしまうと話が前後して申し訳ないが、説明も十分こなれてなくて、西原の絵も本編ととてつもなくずれていて(そこはまた、それでご愛嬌という感じがするが)、本書に興味のある人にはぜひ、併せて続編を読まれることをお薦めする。「海辺の生き物」の中の「海辺の死に物」はおかしくてつい噴出してしまった。