あたたかい友情の話おすすめ度
★★★★☆
蓮たちが“ふしぎたんてい団”をやっている以上、依頼者として
ニューカマーが次々とやって来るのは仕方がない。
が、ラーレとアンネの話は、いまいち入り込めなかった...。
ということで、星4つ。
蓮を責めるラーレに、「そんな力でアタるなよ!!」と怒ったカプつんには、
「そうだそうだ」と思ったけれど。
そんなカプつんを中心とした前半の話は、先生がとても良いことを言う。
「君の中に在る木の実だったら この先いくらでも大きくなります」
のほほんとした表情のひとコマだが、木蓮が伝えたかった大切なことでもある。
さらに、「才能、個性、取り柄というものは、自分では判り辛く、
仲の良い友達とかの方が知っていて、指摘してくれたりするもの」
という部分は、実際多くの人に当てはまるのではないだろうか。
自分の無力さを嘆くことは、大人でさえよくある。
未来の可能性さえ見失ってしまう。
そんな時、身近にいる友の存在が、やさしく自信を取り戻させてくれる。
カプつんと蓮の友情に、自分と友達を重ね合わせ、心があったかくなった。
お見事です!おすすめ度
★★★★★
漫画家生活×十年、という作家さんで、最近の作品より昔の作品の方がレベル高かったような…と思ってしまう方もいますよね?
日渡さんはデビュー当時から軽い面白さと、ジンと来る表現と、哲学的要素が揃った作品を描かれてましたけど、「ボク月4巻」では抜群の構成力を感じ、今なお進歩し続けている!!と思いました。
カプつんを中心に置いた「ドングリKIDS」、伏線の張り方が実に見事!
冒頭の夢の中の会話の一部が、言葉遊びみたいにカプつんのトラウマに重なっていて、テーマとなり、現実と夢との両方が最後にきちんとまとまるという構成、見事の一言!
「今一番重要な事」「私の個性や才能」の内面的素材。子供でなくても、大人になっても考えてしまいますよね。その問いの答えの探し方を教えてもらった気がします。「信じる事は一つのパワーだ」というのは、水樹和桂さんも表現されていますが、ここにも登場。真理だと思います。
「ラーレの花」は、不思議探偵団の初仕事のお話。蓮くんたちの手に余ってしまって、大人達が手を貸す事になります。蓮くんの子供らしい短絡さと一生懸命さ、輪くんの「大人になった」それに対する反応、「中途半端は直ちにやめろ、でも今回は責任とってやり通せ」という叱咤(と、後ろに控えてきちんとフォローしてくれる「お父さん」らしさ)は良いなあ!と思いました。
未来路さん、輪くん、アリス、各自身に覚えがある背景に、「前世」または「ぼく地球」要素があって、木蓮や紫苑の出番は少ないけど、「ぼく地球」感はたっぷり!
むしろ、木蓮や紫苑を出さないまま、彼らの体験を思い出させられて、「ぼく月」と「ぼく地球」がきれいに融合した感じです。泣かされました〜。
日渡さん、お見事です!これからも期待します!!
(この調子で上手にアクマ君シリーズも決着つけて欲しいなあ〜。)
年齢を超えて楽しめます。おすすめ度
★★★★★
「ぼく月」のような時間の経過を扱った漫画作品は今まで類を見なかったと思いますが、順調に巻を重ねてついに4巻目!!
主人公の蓮通じて、いま新しく読んでいる読者には、輪やありすたちの過去の事件に触れ、その謎を解いていく楽しさがありますし、リアルタイムで「ぼく地球」の世代には、懐かしい思い出やその裏側などを改めて見ることができる!
2回楽しめる!じゃなくて、年齢を超えて楽しめる漫画ではないでしょうか!?
今回収録されたお話の中でお気に入りのシーンは、蓮がラーレのためにした中途半端なサイコメトリを説教した輪にありすが感動するシーンと、ラーレが蓮をはずみで傷つけてしまったことで怒った輪と、それを止めに入った未来路の対決シーン。
更に巻末に収録されている、ありすの弟はじめの立場から見た番外編シリーズ(?)はお勧めです!!
まだまだ、続いてほしい作品の一つです。
蓮の成長ストーリー
おすすめ度 ★★★★★
今回は蓮の成長ストーリーがメインです。木蓮や紫苑はあまり登場しません。
身近なカプつんや、新しい友達を通して蓮が「守護天使」の力に頼らずに一歩を踏み出していきます。
学生の頃、「ボク地球」をドキドキ、そして切なくなりながら読み、ありすや輪と同じく親になった今は蓮の立場ではなく、ありすや木蓮の立場から蓮の懸命に頑張る様子を読みながら泣いてしまいました。
巻末の、ありすの弟のはじめ目線で、蓮を妊娠したいきさつを描いたお話しが面白かったです。