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こころの王国―菊池寛と文藝春秋の誕生 (文春文庫 い 17-15)

猪瀬 直樹
おすすめ度:★★★★★
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「こころ」VS.「心の王國」
おすすめ度 ★★★★★

女性の一人称で書かれた作品です。

登場人物も少なく、菊池寛とその秘書「わたし」、それに朝鮮半島出身の馬海松の三人です。しかも、「わたし」を中心に三角関係なのですが、これはサイド・ストーリーです。

本筋の話は、「わたし」が、社長である菊池寛の人となりから小説の本質まで、その真実を探るものです。従って、「わたし」を探偵役としたミステリー仕立てと言っても良いかも知れません。それに馬海松という第三者を埋め込むことで、物語は深みのあるものになっています。

この菊池寛論の最大の山場は、「わたし」が菊池寛のことが少し解ったような気がすると、馬海松に出した手紙の部分です。
それは、彼が敢えて「心の王國」と題して、漱石の「こころ」に対抗していると言うものです。「こころ」の二人には生活感がなく高踏的な部分が、小説の領域を狭めているというもので、「芸術」か「共感」かと迫っていると言えばいいのでしょうか。その意味で、菊池寛は漱石のアンチ・テーゼとしての作品をかいているとするものです。

言われて見ればそうかなと思うし、もう一度両者を読み比べて見たいなとも思います。

巻末には、対談が二つ掲載されています。こちらも興味深く読むことが出来ます。

「漱石の『こころ』と菊池寛の『心』」(井上ひさし、猪瀬直樹)
「『昭和モダニズム』の時代」(久世光彦、猪瀬直樹)



こういう人だったんだ。
おすすめ度 ★★★★★

菊池寛という作家は名前は有名なんだけど、大衆小説ばかり
書いていて、夏目漱石や太宰治のように、現在誰でもが一度は
読んだことがある、という作家ではない、ということで、
名前以外には、全く知りませんでした。
かなりスケールの大きな「親方」であったのに驚きました。

本書は架空の秘書の視点で菊池寛を描いており、菊池寛の人となりだけ
ではなく、主人公の心模様も非常に面白く、するすると読めました。
と同時に、食べ物や家具など、「もの」への視線が目立つ作品でした。
チッキンライスにそっぷ炊き、うまそうでしたねぇ。


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