素朴で家庭的な味わいの演奏おすすめ度
★★★★★
1991年の録音でこの曲集のCDの中ではかなり新しい方(レオンハルト、アメリングらの録音は1966年)。新鮮なクリアで美しい音色を楽しめるのがうれしい。
このCDでは「バッハ家の一日」が音楽で再現されている。冒頭は「音楽帳」には含まれないカンタータ第140番第4曲とオルガン・コラールBWV645の編曲「目覚めよと呼ぶ声あり」で幕を開け、最後はカンタータ第82番第3曲の編曲「眠れよ、汝疲れし眼よ」(この曲は「音楽帳」に収録されている)で幕を閉じるという構成が心憎い。
トラジコメディアの演奏はリュート、ガンバ、ハープを主に使用し、素朴で家庭的なこの曲集にふさわしい味を醸し出している。歌はほとんどの曲でテノールのジョン・ポッター1人が担当しているが、飾り気のない素朴な、家庭のパパが歌っている感じがいい。他の歌手は合唱だけの参加だが、簡素で親密なハーモニーが心地よい。