絶望はひたむきに向き合うためにあるんじゃないおすすめ度
★★★★★
初めての中原昌也だった。おもろいじゃん、つうかかっこいい!!!
この短篇集の意味はないし、語る必要がない。そんなものは全く無意味だから。いかに意味を消し去り、感じることに徹されるか。
中原は小説という芸術にどれだけ死刑宣告を言い渡したのだろうか。
中原昌也は、すばらしく達者な作家で、センスある才能を垣間みることのできる短篇集だということだけ書いておきます。そして、人間がそもそも絶望そのものなのだと教えてくれる作品です。
憎悪が背景にあるのになぜか心地よい小説
おすすめ度 ★★★★★
街を歩いている時の悪態をつきたい相手と心の中で悪態をついている自分を外から見たらこの小説みたいになるんじゃないかと思う。
内気で陰気な青年とコントラストをなす単純で元気のよい若者、
若者を指導するオシャレな中年女、根拠のない自信、
突然始る暴力の衝動と破壊、
人を苦しめるためだけに作られたシステムと社会、
悪臭、ポルノ写真至上主義、
花や小鳥や小動物への愛情、
これらの要素が合わさって物凄い迫力が生まれる。