概要
『富江』『うずまき』に続いて、伊藤潤二の恐怖コミックを、これが映画第1作となる佐藤善木が映画化。果たしてこの私はこの世界の人間なのか、それとも異次元の世界の人間なのか、パラレルワールドを通して人間存在の奥底にひそむ恐怖を描いている。 高校生の押切トオルは、自分自身が死体を埋めている姿をのぞいているという、悪夢に悩まされていた。高校の超常現象研究会のメンバーと共に、今は廃墟となっている祖父の邸宅にもぐり込んだ彼らは、壁にあいた穴から通じるパラレルワールドで恐ろしい体験をすることになるのだった。ワンアイデアの小品で、主演の徳山秀典とガールフレンドの初音映莉子。花がないのが難点といえば難点だが、天才物理学者の祖父をまさにぴったりの天本英世が演じて異彩を放っている。(堤 昌司)
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