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蕁麻の家 (講談社文芸文庫)

萩原 葉子
おすすめ度:★★★★★
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こんなに壮絶な人生があるなんて!
おすすめ度 ★★★★★

詩人・萩原朔太郎を父に持つ作者。読む前の情報として知っていた「親類縁者の虐待」。
それでも「そんなに激しい虐待のはずがない」「“自伝的”小説といっても、脚色も多いんだろう」そんなことを思っていた。
ところが、読んでみて驚いた。
今の世で考えたら、こんな“おばあちゃん”が想像できないから。
いかに“家”っていう閉じられた社会の制度が恐ろしいかを感じる(決して核家族を奨励してるわけではないのだが)。
家柄を守りたい思いと、家長の力がいかに強かったか。

少女時代を過ぎても悲劇はこれでもかと続く。
素性のよくわからない男にだまされてしまい、そして父は…。

読み始めたらあっという間に読み終えてしまった。そして続編も。
現代の、当たり前のように家族の愛を受けて育った人には衝撃的な一冊。



詩人の栄光と不幸
おすすめ度 ★★★★☆

 幼少期、自分は苦労したきたという簡単に語るのはあてにならないと思う。子どもは生活状況を選べないので、それを語るのは、生まれた家庭の事情をさらすということでもある。だから本当に壮絶な体験があった場合、肉親への非難や家の恥を語るのでかなりの覚悟がいるということだ。
 曽野綾子は自分は苦痛に一人で耐えてまきわりも自分でできるというが、良家の出身で、たまたまそうなったという安全地帯に自分をおく。苦労でなかったとは思わないが、通常の範囲に収まっている上、時代差を考慮せず自分の経験を自慢や教訓として語る人は信頼ならない。萩原葉子にはなんの押し付けがましさもないし、彼女の体験の前では曽野は黙るしかないだだろう。そもそも、本当に傷ついたことを語るのはそれなりの時間と濾過が必要だろう。この本は後年に書かれているようだ。

 「この都会を愛するのはよいこと」とうたった朔太郎は個人のエゴに基づく家のしがらみや因習、また自分の娘に起こっていることも本当は誰よりも見通していたはずだ。詩人は世界の外にいるが、誰よりも鋭く全てを知っている。もちろん詩人にもいろんなタイプがあり、室生犀星は生活上でも常識的な家庭人としてこの本の主人公がうらやんでいる箇所もある。しかし朔太郎は詩人の典型として認識は天才で生活には無能力者であったとされている。詩人の栄光と不幸があり、葉子はその不幸を担ってしまった印象を受ける。


壮絶な女の人生?
おすすめ度 ★★★★★

父に萩原朔太郎を持ち、作家としてデビューした萩原葉子の自伝的小説。萩原葉子の名を知らなくとも、詩人・朔太郎の名前はご存じの方も多いと思う。文壇で注目を集めていた朔太郎が、家庭では、何とも頼りのない、イライラさせられるほど情けない父親であったことも面白い逸話であるが、何と言っても、葉子の生い立ちがすごい。祖母からの虐待、知能障害の妹の存在。まさにいばらにがんじがらめにされた青春期を送るのだ。恋愛体験も書かれているが、その結末は決して喜べるものではない。一人の女性が多くの避けられない宿命とでも言うべき困難にいかに立ち向かっていったか・・・。通読するのに時間はかからない。


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