『アンネの日記』にめぐりあえて本当によかった。 おすすめ度 ★★★★★
アンネ役には同い年でアムステルダムに住んでいたことがあるオードリー・ヘップバーンも
候補に挙げられていたが、オードリー自身が辛い過去を思い出したくないという
理由で辞退したというエピソードは有名です。。そういえば、オーディションで選ばれた
ミリー・パーキンスは、どこかオードリーの妖精のような美しさと、若き日の
エリザベス・テイラーに似ているチャーミングな役者ですね。
屋根裏に2年間も隠れ住んでいたという事実を『アンネの日記』によって明らかになり、
この世に知れ渡ったことは実にラッキーであったが、アンネたちだけではなく、
その当時はヨーロッパ中で同じ運命を共にしたユダヤ人がいたことを忘れてはいけない。
ただ、我々日本人が『アンネの日記』に感銘を受けることは少し気が引けることもあるが、
戦後の戦争を知らない多くの世代には是非観てほしい作品です。
ファンーダース夫人役のシェりー・ウィンタースは同じくジョージ・スティーブンス
監督の『陽のあたる場所(1951)』でアカデミー助演女優にノミネートされた女優で、
今作では見事助演女優賞を受賞している。そして、ペーター役のリチャード・ベイマーと
いえば、アカデミー賞10部門を受賞した名作『ウエストサイド物語(1961)』の
トニー役で一世を風靡した2枚目男優でした。
それにしても男優ジョセフ・シールドクラフトのオットー・フランク役は素晴らしいの
一言。どこまで実在と似ているかわからないが、おそらく彼なしでは2年間も隠れることは
不可能であったと思う。
3時間におよぶ長編作ですが、緊張するシーンの連続で観ている側としても、なんとなく
音をたてないように息を殺して観てしまった。とにかくラストシーンでおもいっきり
泣いてください。アンネの短い生涯が悲しみ誘うというより、2年間の屋根裏部屋での
生活を一生懸命に生きたアンネに深い感銘を受け、人間の生きる勇気とお互いの
素晴らしい人間愛を知ることができたアンネは幸せだったと思う。
最後は捕虜収容所で病気(おそらくペスト)でこの世を去ったと聞いているが、
父親のオットーだけが生存したことが、彼にとってどんなに辛いことだったでしょう。
解放されたあと、その家に戻ることがどんなに辛かったか、その時は、アンネは
まだどこかで生きていると信じていたんですね。
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