旅の終わりおすすめ度
★★★★★
元凶が動き出し、引き裂かれたノリコとイザ-ク。二人はそれぞれ互いの元へ急ごうとするが、どうにもならない力によって通信すら取れなくなってしまう。この時のノリコの心理描写がとても巧いです、聞いているこちらまで苦しくなってしまいます。それにしてもノリコの考え方は前向きで、凄いとしか言いようがありませんね。私ならば、力を欲するだけで終わりそうですが、ノリコは自分がいかに力不足か自負しているが故、自分の力の範囲で出来ることをやろうとします。それがたとえ無茶であっても、イザ-クの側にいると自分自身との誓いの為に。
ひかわ先生の描く女の子というのは一見どうしようもなく頼りなくて、ドジだったりするのですが、何らかの形で一本芯が通っています。だから余計に凄いなぁと感じやすいのかもしれません。何か一つのことに信念を持つことってそう簡単じゃないと思うんです、というか何に持てばいいのかでまず悩んでしまいがちですよね。私達は何か特別なことを探そうとするけれど、実際見付からなかったり・・・。この作品を通して気付くのは、特別かなんて関係ないということです。逆に言えば特別にこだわりすぎて見失ってしまっているようなささやかなことで構わないということです。だから今側にいる人の為に頑張ろうと思うのなら、そのことに自分の芯を通せばいいんです、と言われた気がします。
この巻でCDドラマは終わりです。原作ではまだ続いているので、もし興味があれば原作も読んでみてください。
真の目覚め
おすすめ度 ★★★★★
ついに全ての「元凶」が動き出し、イザークとノリコに襲いかかります。
ノリコは走ります。ひたすら彼との「約束」を護るために。
イザークは彼女のひたむきさに、初めて自分の内面を見つめます。
そして・・・・・・・・・・。
二人の当てのない旅は終わります。