前作「HOME」でも彼女の歌唱力を実感しましたが、今作ではその力にさらに磨きがかかったように思います。洗練された、と言いましょうか。弾き語り中心ですが、バラードあり・アップテンポで元気になれる曲ありと、聴き応えのある楽曲が揃っています。
彼女の歌唱力はライブでその真骨頂を発揮するのではないかと思いますので、予習の意味でもアルバムを聴き込んでからライブに行くと、彼女の魅力をより知ることができるのではないかと感じました。もちろん、CDで聴くにも十分なスペックは持っていると思いますが。
ただ前作でも感じましたが、聴き応えのある曲が多い中で、一部あまり心をうたれない楽曲が存在することもまた事実のように思います。全ての楽曲を駆け抜けて聴けるところまでいってくれたら、さらにいいと思うのですが。
君と過ごす、今日を祝福したいんだおすすめ度
★★★★☆
今、ピアノ前に座って、ピアノを弾いて、ピアノと言う楽器でこれだけ売れた歌手がどれだけいるでしょう。Today,Today,to,to,to,Today.君のそばで、君と過ごす、君と泣いて、君と笑う 君と歩み、君と生きる、今日を祝福したいんだ。 償う事は今更できないけど あきらめるにはまだ早い気がする。 恋愛に対する罪の意識や、感謝、前向き、あきらめない、みたいな感情が、ピアノを弾くことで自分の感情が奏でることができる、これだけピアノでこれだけのポップス、バンドの全部分ギター、ドラム、ベース、が作曲できるのは非常に稀な才能だと思います。
On&Onを聞いて、回転を遅くしてるんじゃないかと思うくらいアンジーが半音下げて歌ってるんじゃないかと思ったときの感動がどれほどか、想像してください。
On&onは変イ長調、ラシレミにシャープ、GReeeeNの愛唄、QueenのI was born love you、森山直太朗のさくら(独唱)と同じ調。18世紀の音楽評論家からは墓、死、朽ち果てるの範疇の調とされています。
生半ではないおすすめ度
★★★★★
前回のHOMEに続く二枚目のアルバムです。
アンジェラ・アキの歌で好きなところは、ただ愛を歌うだけではなくて、痛みも悲しみも全部ひっくるめて歌っているところです。
決して、生半可な歌ではないところです。
モラルの葬式のように、擬人化した暗鬱な世の中を歌ってみたり、サクラ色のように今の自分のベースとなった痛みを歌ったり。
嘘ではないものが聴けるのが好きです。
このCDを買って良かった。
孤独も幸せも知っている人。
おすすめ度 ★★★★★
アルバムを聞いてこの人の作る曲、歌詞、歌声、ピアノの奏でる美しい旋律の中にこの人はほんとに人を想うことの幸せも、寂しさも孤独も知っているんだなって思った。若い人達にも是非聞いてもらいたいアルバム。なんだか若いアーティストにはわかってもらえないような事もこの人ならわかってくれるって思えた。ピアノと一体になって歌う弾き語りってほんとに素晴らしい。ピアノのメロディと歌声がぴったりとマッチしている。励まされたり、今の自分の状況と一緒で色々考えられたりして、濃い内容のアルバムになっていると思う。シングル曲もいいなと思えた曲で、サクラ色の繰り返すフレース部分「ずっとずっとずっと」って歌声が切なくて泣きそうになる。春の桜の下で別れと出会いを繰り返す風景が目に浮かぶ。誰もがあった青春時代を切なく想うメロディも美しい。Againも「泣き笑い喜ぶ貴方の顔をもっと見ていたい。」あなたのそばで幸せ感じたいっていう主婦になったからこその温かい歌になってる。人と人とのつながり・・・。今では当たり前で失いかけている事をさりげなく応援ソングとして伝えてる。たしかにもそう。日常の繰り返す日々で病みそうな心の中にも人の愛はきっと存在するって。アンジェラさんも実際苦労とかうまくいかないことたくさん経験したのかなって。だからこんな風に励ませれる歌詞書けるのかなって思った。若干29歳とは思えないな・・・。結婚したってのもあるけど、この人がどれだけ色んな事経験して来たのかわかったような気がしました。ピアノがほんとに好きで、音楽が好きっって伝わって来ました。昔のデビュー当時よりアンジェラさんのこと好きになったアルバムになりました。孤独のカケラには涙した私がいました。ピアノの音楽のメロディといい、歌声といい歌詞といい、何度聞いてもいい曲です。これからも応援していきます!アンジェラさん!眼鏡かけても美人なんだからジャケット写真はもう少し工夫してもらいたいかな。でも、素朴な飾らない感じはいいですね。
概要
ヒットシングル「サクラ色」「孤独のカケラ」「On & On」を収録した2ndアルバム。デビューまでの10年間を凝縮した前作「Home」以降、ピアノの弾き語りによる初の武道館ライブ、さらにNHK紅白歌合戦に出演するなど、急激に知名度を上げた彼女。すべての楽曲のプロデュースを自ら手がけた本作は、どんなに有名になっても変わらない、彼女の表現の深さと凄みがはっきりと映し出されている。許されない恋愛に心を燃やす男女を描いた「愛のうた」、「奪い取れ やり返せ ぶつかれよ」というフレーズを持つ「乙女心」、そして、"変わらないものは何もない。でも、だからこそ、今日という日をあなたと祝福したい"というメッセージを伝える表題曲「TODAY」。リアルな言葉づかいとダイナミックなメロディ、ライブ感を重視したスタジオワークがひとつになった、きわめて質の高いシンガーソングライター・アルバムである。(森朋之)