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愛別外猫雑記 (河出文庫) |
「ちょっと聞いてよ〜。ホントに腹が立つったらありゃしないっ!」こんな感じの文体で始まるこの本は、猫が好きではないが、猫を不憫に思うがゆえに猫を拾い、猫と暮らし、たまたま同居人が猫だったことから、猫嫌いの人たちを含むご近所トラブルや、猫を捨てる人への苦言を呈してみたり、仕事面での文学批評トラブルと公私に渡り様々なトラブルに巻き込まれ、文壇の聖地である雑司ヵ谷を逃げるように出て行き、千葉のS倉へと新居を移す著者の話である。
最初っから怒りに満ち溢れた文面を読んでいると、猫好きの私も「いや〜良く分かるよ。大変だったね。そりゃ〜怒って当然だよ。でも周囲に猫好き獣医さん姉妹や、捨て猫ボランティアの人もいるからね〜。皆悪いわけではないよ。」と励ましたくなる事も多い。 そして、猫を捨てる人の無責任さは大佛次郎の「猫のいる日々」にも書かれているが、いつの時代も変わらない。 かく言う私も、何者かによって家に猫を捨てられた経験がある。 【意外にも自分の知ってる人で、その上全く親しくない人からだったので、ショックだった。】 その時の腹立たしさや、猫の不憫さ、わが身が転勤族であることなどから里親を探した経験があるが、この本にも里親探しの様子が書かれていて、親近感が湧く。 そして、容姿性格共に優れた猫が「ミーのいない朝」で有名な作家・稲葉真弓さんの元に引き取られたり、家で同居している3匹の猫達は、当時流行した森茉莉関連本にちなんで名付けたとあるので、多分群よう子さんの「贅沢貧乏のマリア」の森鴎外家の子供達の名付け方を習ったものだと思う。 作者の猫へのあり方から、作者が猫の命を人間同様に尊重し、そして拾った猫の里親探しに手をつくす姿は全国の猫おばさんの共感を呼ぶこと間違いなしだと思う。 そして、猫本には珍しく「猫ちゃんかわいい〜♪」と言うベタな感情表現が無く、いたって冷静に猫と人間とのあり方を描いているので、男性でも読めると思う。 人間ですら国や人種が違うだけでも共存しにくいのに、ましてや動物と一緒となるとさらに共存しにくい。お互いの違いを理解した上で、なるべく迷惑をかけずに、助け合う事で共存する事の難しさを教えてくれる本だと思う。 |
水晶内制度 |
「自由も倫理も性愛もない女人国家誕生!」というキャッチフレーズに、辛口の寓話を想像していたら、がつんと殴られました。「文学は終わった」と勝手に宣言するお気楽な面々と戦闘し続け、無視され続ける笙野氏の文学は、遥か遠くへ駆け去っていた! 女人国の保護牧場で差別されても何もわからず内部でちまちまプチ差別しあう男たちの姿に、自分も日本国ではそんな目にあいつつ無自覚にお気楽に生きてたのか、と衝撃を受けました。恋愛とかキャリアとかいう名のもとにうやむやになる多くの差別、偏見、人権侵害。しかし、この小説はそれだけでは終わらない。他人を斬るだけでなく、常に己に鋭い刃を向ける笙野氏(だからそれこそが文学じゃん)の出した結論は、性愛の極北に達しているとも言えるだろう。もはや男の性愛も女の性愛も二次元キャラへのキャラ萌えでしかないのか?新時代のフェミニズムを切り開く笙野氏に、息せききって駆け足でついて行くしかない。一緒に来る? 何はともあれ、一読の上、さあご一緒に「うわーっ!!」 |
母の発達 (河出文庫―文芸コレクション) |
解説を斎藤美奈子が書いてるから、というわけではないが、やはりこれは、女性であることが大きなテーマになっている作品だと思う。母と娘の葛藤とはいっても、子育て云々ではない。育てることを否定した母の話なのだから。 などと、理屈っぽく解説しようと思うと、いろんな読み方ができるが、とりあえずは言葉の奔流に身をゆだねるのがよい。不思議な快感。 |
昨晩 笙野頼子 が夢でこう告げた・・・!
毎回話題を呼んでいる 笙野頼子。この日のイベントには撮影に使用した極小ビキニで登場。
ぜひ、次代を担うシンガーの生の魅力に接してほしい。
ふむう~。それならばぜひこの言葉を贈りたいと思います。。
『 落し物の広告。昨日、日の出から日の入りの間のどこかで、それぞれ六十分のダイヤモンドをちりばめた貴重な時間を紛失。なお、拾い主には賞金なし。永遠に失われしゆえ。 』( ホーリス・マン )
失礼だろ!
この小説は形式自体が主題であるり、それが倫理である(1)
これを含む笙野頼子が当時書評した本20冊を眺めると、2000年の「引っ越し」以後の仕事がぼうっと見えてくるようである。簡単に言えば「社会的」「宗教的」への傾向が見られるということ。そしてどんな仕事も渾身でやる故に大きくなって行くこと。 ...
「笙野頼子三冠小説集」笙野頼子
それを読んでから笙野頼子氏を読むと、その差が激しくて驚いてしまった。 しょっぱなから「タイムスリップ・コンビナート」である。 マグロと恋をする夢とか見てる。うわー。何書いてるかわからない。 ストーリーの起承転結とか流れとかそんなんどうでも ...
「笙野頼子三冠小説集」笙野頼子
笙野頼子三冠小説集 (河出文庫 し 4-4)発売元: 河出書房新社価格: ¥ 714発売日: 2007/01/06売上ランキング: 131362おすすめ度 posted with Socialtune...
子どもを喰う世界
笙野頼子『だいにっほん、おんたこめいわく史』を読んでいますが3章あたりに引っ掛かってなかなか前に進めません。たぶんロリペドに引っ掛かっているのです。特にペドに引っ掛かる。そりゃー子どもを喰う世界だぞ。そんな事してると類が絶滅するぞ。 ...
笙野頼子とポストコロニアリズム
笙野頼子はポストコロニアル文学なのか?端的に回答してしまえば、NOであろう。私自身、ポストコロニアル文学と笙野頼子の両方に興味を持っているし、安部公房はポストコロニアル文学であると主張している。だが、笙野をポストコロニアル文学とは言い難い ...
笙野頼子は近代相対化の方法として「所有に相関する魂の歴史」を持って ...
そしたら笙野頼子非公式ファンクラブ会長が「すごいよ!!(マサルさんじゃなく)Panzaさん!!!」って誉めてくれたのでワタシは煽てられたブタのように木に登っただけでなく、どうだオイラの実力が判ったかーって大猿化したサイヤ人みたいに吠えたなんてこと ...
笙野頼子は地球人か?
笙野頼子『だいにっほん、おんたこめいわく史』を読んでいます。 だいにっほん、おんたこめいわく史. この小説は「おんたこ」とは何かを追求するものです。けどそれは権力が反権力を名乗る、というようにまずキモーく捩れているし、実在の個々誰々何々の ...
「長野まゆみ―三日月少年の作り方」/長野まゆみさんムック本
少年で少女で、女性というものの息苦しさ、生き辛さ、少年というものの特別性が、書き下ろし新作からも、笙野頼子さんとの対談からも読み取れるんだけど、ただ、この辺はあまり突き詰めると気持ちが悪いというか、嫌な感触が残るというか… ...
「文藝」2008年秋季号に笙野頼子のエッセイ
河出書房新社公式サイトの「文藝」2008年秋季号紹介ページに笙野頼子の名前が掲載されている。 エッセイが掲載されるみたい。 7月7日本日発売、本屋にいかねば~。
笙野頼子の火星人落語
作家・笙野頼子は、自分が火星人ではないのだから、語ることは許されていないのである。もっとも、遊郭について何も知らないのに遊郭に語ってしまったので、作家・笙野頼子はすでに罪を犯してしまっているのだ。(笙野の罪がどれほど大きいのかを論じるの ...